ドロップ缶とお姉ちゃん
朝河侑介
1.雫
ぽたん、ぽたん、ぽちゃ。
落ちていく雫をぼんやりと眺めながら、私はぎゅっと瞳を瞑った。
ぽた、ぽちゃっ。
ああ、忌々しいほど響く。
髪から伝い落ちて、顎と鼻先から落ちる雫が、湯船のお湯に垂れ落ちていく。
ぱた、ぱたん、ぽちゃり。
この雫が私の瞳から流れているのは、多分この世で私しか知らない。
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