【6人台本】【2人台本】グルマンとチェリーパイ(1:3:2)(0:0:2)

しんえん君

グルマンとチェリーパイ


【諸注意等】


生配信等での使用は可。その際、リンクの明記をお願い致します。

動画など、残るものに関してはご連絡下さい。(プロフィールよりtwitterへ飛べます。)

アドリブ、細部の改変、性別の変更などは可能です。



【本作の読み方】


・ダークな作品ですので、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

・「」外は状況の説明ですので読まなくて結構です。演技のプランニングやSE等の参考にお使い下さい。

片仮名の名前ばかりです。

・台詞の偏りがあります。

・台本中では各役を以下のように表します。


ビスケット→ビスケ


ティラミス→ティラ





【登場人物】

役表

シュクレ 女:

ビスケット 不問:

カヌレ 女:

マフィン 女:

ドーナツ 男:

ティラミス 不問:




シュクレ 女

チェリーのように赤い髪と、紅茶のような赤茶の目を持つ少女。

祖父母が亡くなり、住んでいた家が空き家になってしまったので、そこへ家族で引っ越してきた。

この村のことは詳しくない。



ビスケット 不問

教師。村唯一の少学校の唯一のクラスを受け持っている。産まれはこの村。



カヌレ 女

愛らしく笑う少女。可愛いものが好き。この村から出たことが無い。



マフィン 女

表情は乏しいが、優しい心を持った少女。この村から出たことが無い。



ドーナツ 男

少年らしい少年。強い言葉を使いたがる年頃。この村から出たことが無い。



ティラミス 不問

村を囲む森の中に住んでいる。容姿は歳の割に幼く見える。



(ブラウニー 男)

ティラミスの弟。作中台詞はない。




【本文】



一昨日引っ越してきたシュクレは今日が初めての登校。

一見して地味で閉鎖的な村ではあったが、住んでみれば聞こえる子供たちの声は明るく、いつしかシュクレは初めての登校日を心待ちにするようになっていた。



学校の廊下。木の柱に漆喰しっくいの壁。

床は木製で、きれいに磨かれている。




ビスケ「緊張していますか?」


シュクレ「い、いいえ。あ、えっと。実は少し。」


ビスケ「肩が上がりっぱなしですよ。大丈夫。みんな優しい子達です。」


シュクレ「はい。私、みんなに虐められるかもなんて思っていません。ただ、沢山の人の前で話すのが怖いんです。」


ビスケ「ああ。それなら、心配しなくてもいいですよ。」


シュクレ「え?」


ビスケ「きっと緊張せずに話すことができますよ。クラスメイトの名前と顔も、すぐに覚えられるでしょう。」


シュクレ「そ、そうでしょうか。」


ビスケ「ええ。」




小さな磨りガラスの窓のついた木製の扉。




ビスケ「此処ここが今日から貴女が通う教室です。」


シュクレ「先生。私、上手くやれるでしょうか。」


ビスケ「そう不安がることはありませんよ。仮に上手く出来なくても、誰も貴女を責めたりしないでしょう。さぁ、一緒に中に入りましょう。」


シュクレ「も、もうですか?」


ビスケ「いつまでもここで、ドキドキしているつもりですか?早くホッとしたほうがいいでしょう。」


シュクレ「はい。そう、ですけど。」


ビスケ「ふふ、そう言われても困りますよね。すみません。だけど、本当に大丈夫。すぐに全員と仲良くなれますよ。」


シュクレ「はい。えぇ、はい。準備できました。頑張ります。」


ビスケ「貴女は素直で頑張り屋さんですね。」




ビスケットが扉を開ける。

教室は机が五つ置いてあり、それだけで埋まってしまう程度の広さ。


この学校の生徒である、カヌレ、ドーナツ、マフィンは中央の机に集まって話している。

ビスケットとシュクレが教室に入ると三人はそれに気づき話をやめる。




ビスケ「おはようございます。」


カヌレ「おはようございます、ビスケット先生。」


マフィン「おはようございます。」


ドーナツ「先生、その子誰だよ。」


ビスケ「皆さん席についてください。ドーナツ、おはようございます。」


ドーナツ「あ。お、おはようございます。」



カヌレ、ドーナツ、マフィンは、ビスケットに促されると素直に席に着く。




ビスケ「それでは号令を。」


マフィン「起立。礼。」


カヌレ、マフィン、ドーナツ「おはようございます。」


ビスケ「おはようございます。今朝は、皆さんもう気がついてますね?転校生を紹介します。シュクレ、自己紹介を。」


シュクレ「は、はい。はじめまして。一昨日この村に引っ越してきました。シュクレです。みんなと仲良くしたいです。よろしくお願いします。」



ドーナツ「なぁ、カヌレ。あの子……」


マフィン「ええ……」


カヌレ「しっ。聞こえちゃう。」


マフィン「もしも、グルマンに出会ってしまったら……」


ビスケ「何か質問があるのなら、挙手をしてからどうぞ。」




マフィン「はい。」


ビスケ「では、自分の名前を言ってから質問をどうぞ。」


マフィン「私はマフィン。気軽に話しかけてほしいわ。今日からよろしく。」


シュクレ「よろしくお願いします。」


マフィン「質問なんだけれど、シュクレはこの村の子じゃないわよね?どこから来たの?」


シュクレ「街から来ました。この村まで丸一日かかるくらい遠い街から。」


マフィン「ああ……やっぱり。今日にでも、沢山街のお話を聞かせてね。かわりにここの事を沢山お話ししてあげる。」


シュクレ「ええ。ありがとう、マフィン。」


ドーナツ「はい。オレも質問したい。」


ビスケ「マフィン、もういいかい?」


マフィン「はい、先生。」


ビスケ「では、自己紹介をしてから質問を。」


ドーナツ「オレはドーナツ。オレの言う事を何でも聞くなら仲良くしてやってもいいぜ。」


シュクレ「よ、よろしく。ドーナツ。」


カヌレ「大丈夫よ、シュクレ。ドーナツは威張りたいだけなの。」


ドーナツ「カヌレは黙ってろよ。」


ビスケ「ドーナツ。質問があるのでしょう?」


ドーナツ「ああ。お前、なんでそんなに髪が赤いんだ?」


シュクレ「え?これは、生まれつき赤くて……ママも、おばあちゃんも赤い髪なの。」


ドーナツ「ふーん。初めて見たな、そんな色の髪。」


シュクレ「そ、そう……」


ビスケ「いつも言っているでしょう?ドーナツ。その、人を嫌な気持ちにさせる言葉遣いは、やめなさい。」


ドーナツ「ん?」


カヌレ「そんな色、なんて言っちゃだめじゃない。謝りなさいよ。」


ドーナツ「オレそんなこと言ったか?まぁ、じゃあ、ごめんな。別に、嫌な気持ちにさせたかった訳じゃ……」


シュクレ「ええ。気にしませんから。」


ビスケ「これで、朝のホームルームは終わりにします。」


マフィン「起立、礼」


カヌレ、マフィン、ドーナツ、シュクレ「ありがとうございました。」




ホームルーム後の休憩時間。




マフィン「シュクレ。隣の席になったわね。」


シュクレ「うん。その、色々教えてくれるって言ってくれていたので、とても心強いです。」


カヌレ「私もお話したいわ。」


ドーナツ「どうせ転校生が来るなら、男が良かった。」


マフィン「ドーナツも強がってないで、みんなでお話しましょう。」


ドーナツ「仕方ねぇな。あ、この村のことが知りたいんだろ?」


シュクレ「ええ。」


ドーナツ「オレが教えてやるよ。この村には子供が少ねえんだ。だからオレ達は村の宝ってわけ。」


マフィン「そもそもこの村は人が少ないのよ。狭い分、そんな気はしないけれど。」


カヌレ「森に囲まれてるから、外からあまり人が入ってこないのよね。」


シュクレ「そうなんだ。確かにおじいちゃんやおばあちゃんが多い印象があるわ。」


マフィン「……森にはまだ入って無い?」


シュクレ「え?」




(少し間)




カヌレ「あの森は入ってはいけないの。」


マフィン「怖いおばけが出るって。」


ドーナツ「そんなの嘘に決まってんだろ?鹿にちょっかいかけて、追い掛け回されない為の。」


カヌレ「そんなことするのドーナツだけよ。」


シュクレ「おばけ?私の家、森の近くなんだけど、少し怖いな。」


ドーナツ「え。だ、大丈夫なのかよ?」


シュクレ「うん。森と村の境目のところに木苺きいちごの木が生えてて……


マフィン「まさか、そこへ行ったの?」


シュクレ「え、ええ。街には自生してないから。採れたての木苺でジャムを作りたくて。」


マフィン「もう絶対に行っちゃだめ。あそこはもろ、グルマンの……




マフィンの言葉を遮さえぎって予鈴が鳴る。




カヌレ「シュクレ、一人で帰らない方がいいわ。それと、帽子とかを被ったほうが、いいかもしれないわね。」


シュクレ「それってどういう?」




ビスケットが教室に入ってくる。




ビスケ「早速、シュクレも皆と仲良く話をしていて、安心しました。授業を始めましょう。」


マフィン「起立、礼」


カヌレ、マフィン、ドーナツ、シュクレ「お願いします。」


ビスケ「お願いします。」




放課後




ビスケ「シュクレ、少し残れますか?」


シュクレ「はい。あ、でも。」


ビスケ「何か予定があるのですか?」


シュクレ「いえ、ただ、一人で帰らないほうがいいってみんなが。」


ビスケ「その事について、話しておくべきことがあるのです。」


シュクレ「その事?……ええ。わかりました。」


ビスケ「どうぞ、その椅子に掛かけてください。」


シュクレ「ありがとう御座います。」


ビスケ「街に住んでいたのに、どうしてこの村に?」


シュクレ「私のおじいちゃんと、おばあちゃんがここに住んでいたんです。」


ビスケ「では、ご両親はこの村には詳しいのですね?」


シュクレ「いいえ、祖父母と会うときは、いつも私達の家にまねいていましたから。それも、滅多めったにしなかったし。」


ビスケ「そうですか。では、やはり私から話しておきますね。この村に住む化け物の事を。」


シュクレ「ば……化け物?おばけじゃないんですか?」


ビスケ「おばけなんて不確かなものではないのです。村を囲む森の中に、小さな山小屋があります。昔は人が住んでいましたが、今はそこが奴の住処すみかです。」


シュクレ「森?」


ビスケ「はい。木苺きいちごの木が沢山ある辺りから、少し奥の開けた場所です。」


シュクレ「もしかして、私の家の近くの……」


ビスケ「やはり……。森にはまだ入っていませんね?」


シュクレ「実は……」


ビスケ「まさか、入ったのですか。」


シュクレ「いいえ、近くまで行っただけです。それに、なんともなかったんです。木苺きいちごのジャムを作りたくてみに行ったけれど、何事も無く帰れました。」


ビスケ「そうですか。絶対に森に入ってはいけませんよ。それどころか、本当はこの村にいること自体危険です。特に貴女は。」


シュクレ「え?」


ビスケ「私達は......奴の事はグルマンと呼んでいますが。グルマンは。鮮やかな色に反応します。それに、貴女の通学路は森に沿う道ですから。」


シュクレ「だからなのですか?この村がやけに殺風景なのは。」


ビスケ「ええ。村の中に鮮やかなものを置くのは自殺行為であると考えています。果物一つ成っておらず、花一つ咲いていないのはその為です。」


シュクレ「鮮やかなものは自殺行為……。」


ビスケ「貴女の髪と目はこの村では命取りです。」


シュクレ「じゃあ、どうしたらいいのですか?髪を切る?ああでも、目はどうしよう。」


ビスケ「落ち着いて。隠せばいいのです。」


シュクレ「隠す?」


ビスケ「ええ。貴女の素敵なチャームポイントですが、屋外おくがいに出るときは布や帽子でおおい隠したほうがいいでしょう。眼鏡もかけた方が安心です。」


シュクレ「わかりました。忠告ありがとうございます。」


ビスケ「いいえ、今日は私が家まで送りましょう。それと、仮にこれを使ってください。未使用ですから。」


シュクレ「象牙ぞうげ色のハンカチ。ありがとうございます、先生。」




シュクレの初登校から数日後。

シュクレは、家が反対方向のクラスメイトを気遣い、一人で下校するようになった。


村を囲む森の中。化け物の噂とは裏腹に、差し込む光は明るくて暖かい。

ティラミスは、歌っているようにも聞こえる独り言をつぶやきながら森を歩いている。




ティラ「ピーチのワイン煮、トマトのパスタ。木苺きいちごジャムのパンケーキ……


シュクレ「傘を学校に忘れたせいで、少し遅くなっちゃった。全然雨なんか降らないじゃない、パパの嘘つき。」


ティラ 「……ミネストローネ、ラタトゥイユ。パプリカと小エビのバターソテー。」


シュクレ「声が聞こえる。」


ティラ「アップルタルト、いちじくのゼリー、約束破りのチェリーパイ。」




ティラミスが森から出てくる。視界が開けたことに気がついたのかキョロキョロとあたりを見回している。




シュクレ「あ、あの。どうされたんですか?ここは危ないですよ。」


ティラ「女の子?」


シュクレ「え?」


ティラ「布を被ってて、わからなかったから。でも、声が、女の子だ。」


シュクレ「ええ、女の子です。それより、このあたりは化け物が出るって」


ティラ「聞いたことあるよ。でも、まだ見たことないものを信じられないよ。今から帰って、ベリーのアイスを作るんだ。だから、木苺きいちごを採とらないと。」


シュクレ「でも、でも……木苺きいちご?それなら私の家の近くに生えていたはずです。ギリギリ森の外に。」


ティラ「木苺きいちごがあるの?」


シュクレ「ええ、はい。私も少し採ったから沢山じゃないと思いますけれど。」


ティラ「うん、ついていく。そんなに沢山じゃなくていいんだ。つやつやなのがいいんだ。」




シュクレはティラミスをつれて歩き出す。




シュクレ「アイスに入れてしまうのに?」


ティラ「最後に飾るんだ。とびきり綺麗なやつを残しておいて。」


シュクレ「そうなんですね。とっても美味しそう。」


ティラ「今度食べに来る?」


シュクレ「え?そうね、きっととっても美味しいんでしょうね。食べてみたいわ。」


ティラ「うん。甘酸っぱくて美味しいよ。きっとだよ。約束。」


シュクレ「そうだ、お名前をうかがっていなかったわ。私はシュクレ。あなたのお名前も、聞いていいですか?」


ティラ「ティラミスだよ。お母さんと弟と三人で暮らしてるんだよ。だから、みんなで美味しくご飯が食べられるように、毎日頑張ってお料理してるんだ。」


シュクレ「まぁ、お母さんと弟さんの為に頑張って作る料理を、私にも食べさせてくれるんですか?」


ティラ「うん。だって二人は食べてくれないから。」


シュクレ「あら……そうなんですね。じゃ、私が沢山食べますね。二人に美味しそうって思ってもらえるくらい。」


ティラ「やった。シュクレは優しいね。」




次の日




カヌレ「シュクレ。昨日は大丈夫だった?」


シュクレ「え?どうして?」


マフィン「昨日の夕方、化け物の声が聞こえたって、裏のおじいちゃんが言っていたの。」


カヌレ「私も聞いたの。ママが絶対森に近づくなって言っていたし、シュクレが心配だったの。」


ドーナツ「みんな心配しすぎなんだよ。森に入らなきゃ平気だよ、だって今まで襲われた人はみんな森のなかで見つかっただろ?」


カヌレ「でも、でもシュクレのお家は近いから。」




ビスケット、扉を開いて入ってくる。




ビスケ「おはようございます。」


シュクレ、カヌレ、マフィン、ドーナツ「おはようございます。」


ビスケ「みなさんが無事で何よりです。昨日の夕方の話は聞きましたね?奴は週に、何度か現れますが、”森に近づかない”、”鮮やかなものを見せない”。この2つを守れば大丈夫です。」


シュクレ「あの、森には人も住んでいるんでしょうか?」


マフィン「まさか、シュクレ、森に入ったの?」


シュクレ「い、いや、入っていないけど。森から人が出てきたの。」


ビスケ「シュクレ。奴と話したんですか?」


シュクレ「えっ?ええ。」


ビスケ「森に人は住んでいません。そいつはグルマンだ。もう二度と、奴に近づいてはいけませんよ。見かけたらすぐに逃げなさい。」


シュクレ「けれど、普通の人でした。家族と暮らしてるって。」


ビスケ「……それはおかしいな。」




ホームルーム後の休憩時間




ドーナツ「なぁ、先生おかしかったよな。」


マフィン「あんな先生みたことないわね。」


シュクレ「どうしよう、私のせいよね。」


カヌレ「仕方ないわよ。でも、本当に話したの?」


シュクレ「ええ、キョロキョロしてて困ってるみたいだったから。道を教えたの。」


ドーナツ「馬鹿。そんなのほっとけばいいだろ?なんで怪しいやつに話しかけるんだよ?」


シュクレ「だって、森にいたら危ないかなって思って。」


カヌレ「本当にその人が化け物なのかな?普通の人に見えたんでしょ?」


シュクレ「ええ。」


マフィン「確かに、化け物の姿をちゃんと見たことがある人はいないけど。二足で歩くし、歌を歌うから人間のような生き物だと思う。」


カヌレ「もし、その人が、人だったとしたら、シュクレは命の恩人かもしれないわね。その人の様子はどうだったの?」


シュクレ「様子?木苺きいちごを探していたみたいで、案内してあげたの。」


ドーナツ「木苺きいちご?鮮やかなものは森にしかねぇはずだろ?お前やっぱり森に入ったんだな。」


シュクレ「森の中じゃないわ。森に面しているけれど。森の中よりずっといいでしょう?」


マフィン「助けてあげようと思ったのね。その人に、おかしいところはなかった?」


シュクレ「おかしいというか、木苺きいちご見た瞬間にすごく喜んで、片っ端から採ってたからそうとう好きなんだなって思ったわ。私も少し食べたかったのだけれど。」


ドーナツ「絶対そいつが化け物だ。そして化け物に会ったのに、ピンピンしてるお前は化け物の仲間だろ。」


カヌレ「そんなわけないじゃない!ドーナツ、あなた、またシュクレに意地悪したわね?」


ドーナツ「だってそう思うだろ。なぁ、マフィン?」


マフィン「きっとその人は化け物じゃないわ。だって、そうでなきゃシュクレは襲われているはずだもの。」


シュクレ「ええ、きっとあの人は普通の人よ。ずっと年上だと思うけれど、不思議に可愛らしい人だったわ。」


ドーナツ「とにかく、あの先生の様子見ただろ?みんな心配してんだから森には近づくなよ。」


カヌレ「私も心配だわ。やっぱり一緒に帰りましょう。」


シュクレ「ええ、みんながそう言うなら一人で帰るのはやめるわ。」


マフィン「今日は私がシュクレと帰る。みんなで交代にしましょう。」


ドーナツ「みんなってオレもかよ?」


カヌレ「当たり前でしょ。」




放課後

シュクレは布を被り、マフィンと下校している。




マフィン「森であったっていう人はどのへんにいたの?」


シュクレ「確か、ちょうどこの辺よ。」


マフィン「そう……」


シュクレ「でも、どうして?会ってみたくなったの?」


マフィン「いいえ。……シュクレはその人の事、グルマンじゃないと思うのよね?」


シュクレ「ええ。きっとあの人は人間よ。」


マフィン「先生の言う化け物が、人間だとしたら?」


シュクレ「え?」


マフィン「怖い生き物だと思っていた化け物が、気のおかしい人間だったとしたら。貴女は見抜ける?」


シュクレ「ティラミスは普通の人よ。」


マフィン「貴女は?貴女は普通の人って言い切れるの?」


シュクレ「え……」


マフィン「ごめんなさい。私、本当はすごく怖いのよ。だから貴女を疑ってしまったの。」


シュクレ「そう。でも、仕方ないわ。私も私が普通だと言いきれないもの。」





次の日の放課後

シュクレは布を被り、カヌレと下校している。




カヌレ「シュクレ。昨日はあの人に会ったの?」


シュクレ「いいえ。声もしなかった。」


カヌレ「そうなのね。ああ、やっぱり私も一緒じゃないとそわそわしちゃうわ。前も一人でシュクレは帰っていたけれど、その時から。」


シュクレ「心配をかけてしまっていたのね。ごめんなさい。」


ティラ「シュクレ。」




ティラミス、二人のすぐ後ろにいつの間にか立っている。




カヌレ「きゃっ!」

シュクレ「わあっ!」


ティラ「やっぱりシュクレだ。布をかぶった女の子。あの時はありがとう。」


シュクレ「ああ、ティラミス。びっくりしたわ。」


カヌレ「こ、この人は誰?」


シュクレ「昨日話したでしょう。森で出会ったティラミスよ。」


カヌレ「あぁ、貴方がそうなのね。はじめまして。カヌレよ。」


ティラ「ティラミスだよ。」


カヌレ「不思議な雰囲気ね。この人。」


シュクレ「ええ。だけどすごく無邪気な人だと思うの。」


ティラ「今日、来る?ラズベリーのアイスが出来てるよ。」


シュクレ「まぁ、そうなの。残念だけど今日はカヌレと一緒に帰るつもりだったの。」


ティラ「カヌレも来れば?」


カヌレ「え、でも。」


シュクレ「怖いの?」


カヌレ「ええ。」


シュクレ「でも、ティラミスは何も悪いことはしていないわ。」


カヌレ「そうよね、ええ。でも。」


ティラ「鮮やかな赤のラズベリーアイスをあげるよ。ミントも採ってきたし、スプーンも磨いたんだ。みんなで食べたいんだ。」


カヌレ「……行くわ。」


ティラ「やったー。家に可愛いお客さんが、しかも二人も来るなんて。嬉しいな、嬉しいな。」




次の日の放課後

シュクレは布を被り、ドーナツと下校している。



ドーナツ「昨日、カヌレとティラミスって人と遊んだって?」


シュクレ「ええ。」


ドーナツ「誰だよ?ティラミスって。」


シュクレ「森で出会った人よ。」


ドーナツ「はぁ?聞かない名前だと思ったけど。お前、そんな怪しい奴と遊んだのか?」


シュクレ「けど、ティラミスはいい人よ。」


ドーナツ「カヌレまで巻き込みやがって。もしものときはどうするんだよ。」


シュクレ「そ、そうよね。ごめんなさい。」


ドーナツ「しかもそいつの家で遊んだんだろ?」


シュクレ「アイスを二人で頂いたの。すごくお洒落で素敵な家だったわ。ああでも、少し荒れていたけれど。」


ドーナツ「そんなことは聞いてねぇよ。大丈夫だったのか?なんか変なこと無かったのかよ?」


シュクレ「変なこと?ああ、ティラミスは三人ぐらしだって聞いていたから、お母様にも会えるかしらと思ったんだけれど。」


ドーナツ「家には誰もいなかったのか?」


シュクレ「ええ。」


ドーナツ「やっぱり怪しい。お前もうそいつと関わるのはやめろ。」


ティラ「シュクレ。」




ティラミス、二人のすぐ後ろに立っている。




ドーナツ「ぅわーー!?」

シュクレ「ひっ……ティラミス。驚かさないで。」


ティラミス「その男の子は誰?」


シュクレ「ドーナツよ。」


ドーナツ「や、やい。お前がティラミスだな?」


ティラミス「ティラミスだよ。」


ドーナツ「しゅ、シュクレやカヌレにもう近づくなよ?い、い、いいな?」


ティラミス「怖いの?震えてるよ。」


ドーナツ「ああ?そんなわけ、ね、ねぇだろぅが。な、ナめてんのかぁ?」


ティラミス「ドーナツ。ドーナツも遊ぼうよ。今日は、プラムのババロアだよ。甘くて冷たくて美味しいよ。」


ドーナツ「はぁ?知らねぇ奴が作ったもんなんか食えるかよ。」


シュクレ「ティラミス、ごめんなさいね。ドーナツはあなたが苦手みたいだから、また今度。」


ドーナツ「今度?今度なんかあってたまるかよ。おい、お前が化け物なんだろ?もう俺達に関わるな。村にも関わるなよ?いいな。」


ティラミス「スプーンもちゃんと磨いたのに。」


ドーナツ「うるせぇな。行くぞ、シュクレ。」


シュクレ「え、ええ。ごめんなさい。」


ティラミス「ああっ、またね、シュクレ。」


ティラミス「行っちゃった……。」




次の日の朝。

シュクレとマフィンが一緒に登校して来ると、既にドーナツとカヌレが話している。




ドーナツ「お前騙されてるんだよ。絶対に怪しい。」


カヌレ「ドーナツはティラミスの何を知っているの?どうせティラミスが怖いだけでしょ?怖がり!」


マフィン「おはよう」


ドーナツ「は?そんなんじゃねぇよ。絶対あいつはおかしい!」


カヌレ「どこがおかしいのよ!」


ドーナツ「お前わかんねぇのかよ!?」


マフィン「おはよう!」




マフィンが大きな声を出すと、ドーナツとカヌレはやっとシュクレ達に気がつく。




カヌレ「あ、おはよう二人とも。」


ドーナツ「……おはよう。」


マフィン「何を話していたの?大きな声を出して」


シュクレ「ティラミスのこと?」


ドーナツ「そうだ。ティラミスの事は先生に言うからな?」


マフィン「何かあったの?」


ドーナツ「昨日あいつと会ったんだ。」


カヌレ「ドーナツも会ったんだ。ティラミスが作るスイーツすっごく美味しいわよね。なのにどうして、朝からずっと怒っているの?」


ドーナツ「あいつはおかしいって何度も言ってるだろ。」


マフィン「どこが?」


ドーナツ「どう見ても!」


シュクレ「確かに不思議な人だけれど。」


カヌレ「すごく素敵な人よ。家族思いで……


ドーナツ「家族なんか居ないんだろ?お前ら会ったことないだろ?」


シュクレ「確に会ったことはないけれど。」


カヌレ「あの日はたまたま居なかっただけよ。」


マフィン「私はティラミスに会ったことは無いけれど、シュクレを信じたい。」


ドーナツ「は?」


マフィン「せっかくお友達になれたんだもの。お友達の言う事は信じてあげたいわ。ティラミスはきっと、ちょっと不思議な人なだけ。」


ドーナツ「友達だから言ってるんだろ?カヌレやシュクレが危ない目にあったら、お前、どうするんだよ。」


マフィン「実際今まで大丈夫だったじゃない。今まで通りに関われば、危なくないわよ。きっと。」




ビスケット、教室へ入ってくる。




ビスケ「おはようございます。何を揉めているのですか?」


マフィン「おはようございます。ビスケット先生。ドーナツが理由もなくティラミスを疑うから……


ドーナツ「おはようございます。ビスケット先生。マフィンがティラミスを庇うんだ!絶対あいつはおかしい!」


シュクレ、カヌレ「おはようございます。ビスケット先生。」


ビスケ「ティ、ティラミス?今、確かにそう言いましたね?」


カヌレ「ええ、私とシュクレはティラミスとお友達になったんです。それなのに、ドーナツが”もうあいつと関わるな”って」


ビスケ「前に言ったでしょう。奴とは関わってはいけません。」


マフィン「先生まで……。」


ビスケ「シュクレ、カヌレ。森に入ってはいけないという約束を破りましたね?あれ程口酸っぱく言ったのに。」


シュクレ「ご、ごめんなさい。道の近くでティラミスが困っていたから。だけどティラミスは違うの。森に住んでるってだけでグルマンだと決めつけないで!」


カヌレ「先生、大人と一緒だから平気でしょ?ティラミスは森で暮らしているみたいだし、頼りになるわ。」


シュクレ「それに、ティラミスは化け物を見たことがないって……


ビスケ「言ったでしょう。奴が化け物、”グルマン”なんです!」


カヌレ「信じられないわ。」


シュクレ「ええ、そんな筈無いわ、いくら先生でもそんな事を言うのは許せない。」


マフィン「先生は、何か森に隠してるんじゃないですか?だから私達を遠ざけるのよ。」


ビスケ「なっ……。マフィン、それは誰かが言っていたのですか?」


マフィン「ママたちが噂していたの。グルマンの噂を流したのは先生なんでしょう?」


ビスケ「ああ、確かに噂を流したのは私です。何か隠している?そうだとしても、奴ともう会っては駄目だ。絶対に。」


シュクレ「先生もティラミスに会ってみたら良いのよ。凄く優しくて、良い人なのよ。この前も……





回想




ティラ「シュクレ、美味しい?」


シュクレ「ええ、とっても。」


ティラ「もっと食べる?」


シュクレ「いいの?」


ティラ「いいよ。いっぱい食べて。」


カヌレ「ねぇ、ティラミス?」


ティラ「何?カヌレ。」


カヌレ「いつも一人で寂しくないの?」


ティラ「一人じゃないよ。弟もお母さんも一緒。それにね。」


カヌレ「それに?」


ティラ「二人がいるからすっごく楽しいよ。」


カヌレ「本当?良かった。私達、お友達よね?」


ティラ「うん。シュクレもカヌレもお友達。大好きだよ。」




回想終了




シュクレ「それなのに先生はティラミスを悪く言うのね。先生の事も、大好きだったのに。」


ビスケ「私だって皆さんのことが大事ですよ。大事だから言っているんです。」


マフィン「私、もう何が本当かわからないわ。」


カヌレ「私も。」


ドーナツ「オレも、シュクレの話聞いたら、わけわかんなくなった。」


ビスケ「シュクレ。」


シュクレ「はい、先生。」


ビスケ「今日は私が送ります。」


シュクレ「先生もティラミスに会ってくれるんですか?」


ビスケ「そうならないように、私が送り届けます。」




放課後。

シュクレとビスケは二人で下校中。




シュクレ「先生は意地でも私とティラミスを疑うのですね。」


ビスケ「疑いではありません。そうである事実を知っているのです。いいですか、今日から別の道を教えますから、遠回りをして帰るように……


ティラ「シュクレ。」


ビスケ「ぅああ!?」


シュクレ「あら、ティラミス。今貴方の話をしていたの。」


ティラ「そうなんだ。このでかい人は誰?」


シュクレ「ティラミスも同じくらい大きいわよ?この人は……


ビスケ「シュクレ、行きますよ。」


ティラ「待ってよ。ねえねえ、誰?」


ビスケ「……やっぱり、覚えていないんですね。好都合です。貴方は森に帰りなさい。行きますよ、シュクレ。」


シュクレ「何故ですか?ティラミスに失礼です。先生、名乗ってください。」


ビスケ「......はぁ。私はビスケットです。これでいいでしょう?行きましょう。」


ティラ「よろしくね、ビスケット。ビスケット?ビスケットか。いい名前だね。」


シュクレ「ティラミス、ティラミスは普通の人よね?」


ティラ「普通?えっと、人だよ。普通だといいな。」


シュクレ「ほら先生、ティラミスは普通の人よ。」


ビスケ「普通でもそうでなくても、聞いたって解りませんよ。事実この人は普通じゃない。危険だからもう行こうと言っているんです。」


シュクレ「ティラミス。今日も一緒に遊びましょう?」


ビスケ「はい?」


ティラ「今日はなんにもないんだ。それでもいい?」


シュクレ「勿論!」


ビスケ「勿論駄目です!」


ティラ「じゃあシュクレと二人で遊ぶ。行こう、シュクレ。」


シュクレ「ええ。」


ビスケ「言うことを聞きなさい、シュクレ!そいつは本当に危険なんだ。油断すれば食われてしまう。」


シュクレ「そんなわけ無いわよねー。」


ティラ「ねー。」


ビスケ「ああもう、待ちなさい!」





ティラミスの家。


小さな木造の家。窓は少し欠けていて埃っぽいが、机とキッチンは綺麗に拭いてある。


部屋のには割れた写真立てや破れた服などが散乱しているが、動線上はそれらが押し退けられている。





ティラ「いらっしゃい、シュクレ。それとビスケット。」


シュクレ「おじゃまします。」


ビスケ「引き返そう、シュクレ。」


ティラ「ねぇねぇ。シュクレの友達なの?友達の友達なんだから仲良くしようよ。」


ビスケ「友達ではない。仲良くもしない。シュクレを守りたいからこそ、お前とはもう仲良くできない。」


シュクレ「”もう”仲良くできない?」


ティラ「ほらほら、ここに座ってよ。二人とも。」


シュクレ「ありがとう。」





二人、促されるまま座る。

ビスケット、小声でシュクレに話しかける。




ビスケ「いいですか?私は以前、奴に襲われたんです。だからこの噂を流した。これは本当の事です。今すぐ戻りましょう。」


シュクレ「そんなわけ無いわ。ね、ティラミス?」


ティラ「聞こえなかったや。なぁに?ビスケット。」




ビスケット、尚も小声で話す。




ビスケ「かつては私達は友人でしたが、私が村の外の高校、大学で学んでいる間に奴は狂ってしまった。恐らく、家族が亡くなってしまったからです。」




シュクレ、小声で返す。




シュクレ「ティラミスの家族は生きています。ティラミスがそう言っていたもの。もし亡くなっていたとして、それが信じられなくて否定しても、それがなんだっていうの?」


ティラ「何を話してるの?」


ビスケ「いいですか。奴は弟との約束を破った事を気にしている。チェリーパイを焼く約束を。」


シュクレ「チェリーパイ?」


ビスケ「だから鮮やかなもの、特に赤に反応するんです。私の髪も当時は赤だった!だからお前はあの時、俺を襲ったんだ!」


ティラ「ビスケット、誰に襲われたの?」


ビスケ「昔は仲良しだったのに。ただ赤髪というだけで襲われた。お前はナイフを片手に俺を料理しようとしたな。俺の頭に、ナイフを振り下ろして。どんなに恐ろしく、辛く、悲しかったか。意味の分からないことを気味の悪い猫なで声で口走りながら、お前は俺の赤だけを見ていて......お前はもう、人として赤を感じることは出来ない。人も、花も、赤をそのものとして感じることができない。」


シュクレ「ずっと何を言っているの?先生。本当におかしいのは先生よ。」


ティラ「ねぇ、ビスケはどうしちゃったの?どこか痛いの?怒ってるの?怖いな。怖いな。」


シュクレ「大丈夫よ、ティラミス。先生。ティラミスが怖がっているわ。落ち着いてください。」




ビスケット、少し落ち着いて述べる。




ビスケ「慌てて村に逃げ帰って全てを知った。お前が誰もかも拒絶して森にひきこもって以来、おかしな歌が聞こえると。ブラウニーとの約束を破って自分を責めたと。」


ティラ「ブラウニー?ブラウニーって言った?」


シュクレ「えっと、よくわからないんだけど、先生が言っていることは本当なの?」


ティラ「ブラウニー。とっても可愛い弟。」


ビスケ「俺、いや、私はお前をどうにも出来なくて、皆に見つかって、処刑されるようなことは避けたくて、噂を流したんです。」


シュクレ「先生は何かに怯えているのね?大丈夫よ。全部幻覚よ。今から証明してあげるわね。」


ビスケ「怯えてなどいません!幻覚でもない!シュクレ、何をする気ですか。やめなさい。」





シュクレ、被っていた布を外す。




ティラ「わぁ、素敵な赤だね。」


シュクレ「ほら、全然平気よ。」


ビスケ「平気なんかじゃない!早く隠しなさい。奴から離れなさい!」


シュクレ「隠したら証明にならないわ。先生。」


ティラ「そう、チェリーみたいな赤だね。ああ。ごめんね、ごめんねブラウニー。あの時、忘れ物を取りに行かなければ一緒に居られたのに。」


シュクレ「ティラミス?」


ビスケ「逃げなさい!シュクレ!」


ティラ「うふふ。一緒にパイを焼こうね。チェリーパイ。今からでも遅くないよ。半分に切って種を出して、甘くコンポートにしてパイにする?」




ティラミス、ナイフを手に取りシュクレに近づく。




シュクレ「あ……あ……ティ、ティラミス。どうしちゃったの?」


ティラ「チェリーと砂糖を鍋に入れて......ブラウニーでも食べれるように、洋酒はやめておこうか。」




ティラミス、シュクレにナイフを振り下ろす。


ビスケット、ハッとして駆け寄るも間に合わない。




ビスケ「シュクレ!」


シュクレ「あ……ティ、ラミス?ど、して。」




ティラミス、さらにシュクレにナイフを突き刺す。




シュクレ「ぐ、う......やめて、。」


ティラ「わぁ!素敵な赤だね。果汁たっぷりでジューシーだね。零さず鍋に入れよう。真っ赤なパイが出来る。ね、ブラウニー?」


シュクレ「ティラミス......どうして笑っているの?っ、うぅ。」




シュクレ、事切れる。




ビスケ「シュクレ……。」


ティラ「ブラウニー?やっぱり許してくれないの?」


ビスケ「私が……ブラウニー?」


ティラ「私?」


ビスケ「ぼ、僕。僕がブラウニーなの?」


ティラ「何を言っているの?ブラウニー。ほら、やっと約束を果たせるよ。」


ビスケ「やく、そく……?」


ティラ「さぁ、一緒にチェリーパイを作ろう!」






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