幕間 相葉京子の欲求?

 人は変わろうと思ってく変われるほど強くない生き物だ。


 例えばダイエットすると言ってたとしても、その人が食べることに魅力を感じている人間なら、きっと三日後には食べてしまうだろう。


「人はそう簡単には変われない」


 私がそうのように……。


 相葉京子がこの天竺高等学校に入学できたの奇跡だった。


「やったわね!!京子!!」


「すごいぞ!!京子!!」


 お母さんもお父さんも褒めてくれた。嬉しかった。やっと自分を見てくれたとそう思った。


 私はこんなビビリな性格だけど、自分が思っている以上にみんなに見てほしいって感情が大きいらしく、みんなに見てもらうためならなんだってした。


 学校で漫才をやったり、ちょっといじめてみたり、殴ったり、蹴ったり、いろんなことをした。だから、私は嫌われ者だった。


「はぁ〜どうして受かっちゃったんだろう」


 変われるチャンスっとは思ったけど、正直、変われる気がしなかった。せめて、静かに暮らそうと思い、端っこで息を潜め、誰にも認知されないように過ごした。


 それからというもの、特に何も起こらなかった。私の身勝手な欲求も抑えられたし、むしろこれが私の求めた正解とさえ思った。


 でも、そんな生活は長くも続かなかった。


 偶然にも、二人の喧嘩を見てしまった。


 私はしっかりと写真を撮り、そのことをSNSで少し濁して投稿した。


 特に意図はなかったけど、勘のいい奴ならすぐに気づく。


 この時の私はすでに自分の欲求が爆発しそうになっていたんだ。それはもうやること全てが無意識で、相葉京子自身さえもその狂気的な行動に気づいていなかった。


 そしてついにあの事件が情報が公開され学級裁判が開かれた。


「ゾクゾクするな…」


 心臓が早く打ち付けていた。


 そしてついに一人の男に話しかけられる。


 赤木奏馬だ。


 よく北条璃の隣にいるイメージがあったから、尻に惹かれるタイプなのかなって思っていたけど、話してみると彼に異常性に気づいた。


 この人もまた私と同じように自分の姿を仮面で隠している。


 彼が何をしたくて、この学級裁判をどう持って行きたいのか、その策略が話しているうちに見えてきた。


 2回目の学級裁判、私は証人といして呼ばれ、その場に居合わせた。


 緊張したけど、思った以上に白熱していて面白かった。


 学級裁判が終わった後、赤木くんから一通の連絡が寄せられる。その内容を見た私は驚きすぎて尻餅をついた。


「う、うそ!?」


 私の過去から、今までの経緯、性格や起こした事件の詳細、細かく全て記載されたデータと共に一言。


『有馬京介を現場に連れていこい』


 これを見た私は腰が抜けてしまう。


 私は喜び得ました。私の心はこの時満たされました。


「頑張る。頑張るから。だって友達の頼みだもん」


 私は赤木くんに全てを見透かされていた。おそらくこの書類は脅しなのだろうけど、嬉しかった。私を見つけてくれて、嬉しかった。


 私はもう、我慢するのをやめました。


 まずは情報収集、木兎杏奈の後ろを尾行しました。


 彼女情報取集する面においては驚異的な才能を発揮する女。きっと有馬京介の情報を得ていると思いました。


 しかし、どうやら的外れだったようでした。


 仕方なく、私は自力で集めることに……。


 情報を集めるために、私はなんだってしました。


 脅しや脅迫、時には痛みを感じてもらうことだって……。


 そして私はついに、有馬京介の重要な情報を手に入れました。


「こ、これでいいだろ!!だからもう許してくれ!!!」


 泣け叫ぶ、一人の生徒。


「そうです。ありがとうございます…」


 なんて情けない姿、これで2年生というのが呆れてしまう。


「あ、最後に言いそびれていたのですが、あなたがこの状況を誰かに報告されるのも嫌なので、少しだけ、我慢してくださいね」


「はぁぇ?」


 情けない顔を見せる2年生の生徒。この後どうなったかは誰も知らない。


 私は有馬京介の連絡先を手に入れ、ついに計画を実行したのです。


 そして彼はあっさりと誘き出され、終わった。


「うん。なかなかにいい仕事したよね!!」


 私は私自身に自信を持つことができた。


「もう我慢なんてしない。私は私を貫く!!」


 だから、私はまず赤木奏馬と仲良くなろうと思った。

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