フロウズ・ゲート

知㋶ぬ間²

第1話 プロローグ

 桜花歴271年5月14日。


 『フロウズ』というバケモノが出現してから約21年が経った今もまだ、そのバケモノによる被害に苦しんでいる。


 『フロウズ』は突如として桜花共和国に出現したバケモノだ。

 異形に人間離れした力。

 我らが共和国を恐怖に陥れる「侵略者」と恐れられた。


 初期の頃は政府が自衛隊を派遣し、なんとか『フロウズ』と名付けられたバケモノを撃破しようと奮闘するも叶わず。


 政府は同盟を結ぶ諸外国に謎の怪物に対抗するための応援、軍隊の派遣を依頼するも見捨てられてしまった。


 諸外国が動こうとしなかった理由は、その被害と脅威を、『フロウズ』を共和国内だけに留めたかったからなのだろうと推測されている。


 大陸から孤立している島国の共和国は、文字通り国際社会からも孤立してしまった。


 次第に自衛隊に所属する自衛官の数も減り、そして徴兵された男性たちの応戦も虚しく、その命は散っていった。


 そんな中、政府は防衛庁に新設部隊を立ち上げた。


 その部隊に所属するは、自衛官の中から選ばれたエリート中のエリート。共和国を救うべくして作られた部隊は見事、その任務をこなしてみせた。


 以前よりも犠牲者の数を大幅に減らし、やがて組織へと成長した部隊は今や共和国に欠かせない存在へと成長した。


 その名も、桜花共和国防衛庁おうかきょうわこくぼうえいちょう所属、対フロウズ専門防衛部隊だ。略して国防隊こくぼうたい


 しかし『フロウズ』の弱点などが解明される頃には男性人口が減ってしまい、女性が主力となって戦場に投下されるようになり、そして主権を握るようになる。


 女性中心となって回り始めた社会は、共和国を『フロウズ』の危機から守り、『フロウズ』に対抗すべく次世代を育てるための養成学校を開設した。




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