第23話 バレットインザアメーバ

「ナァニくっちゃべってやがる!?次は強火で

焼き尽くしてやるぜええ!!!」


2号は意気揚々と口を開けた。


「来るぞ…!!ジンアメーバをよこせ…!!」


「あいよ!!」


スラムの街と夜から力を借りたジンは、一気に影をアメーバ化し、区営体育館クラスの量をかき集めた。


「ああ…。上出来だ…!」


影でこそこそと動く都会のネズミのような

二人の姿に


「ヒソヒソと井戸端会議かよ!!焼けちまったら関係ねぇだろが!燃え尽きろ!!」


2号は七影竜に合図を送り、炎を放とうとした。


「させない!!!シッコクノ!!風!!」


ブラディ達を狙う竜に向けてカゲルの風が襲いかかる。


「そんな風!効かねえつってんだ、、?!?」


風と同時にカゲルが飛んできた。

カゲルは一閃目を振り切って直後の超高速のニ閃目を携えていた。


「ちょ、これは、やばい!!」


竜はマトリックスとイナバウアーで言えば前者よりの体制となり剣戟を避けた。


ブォン!!


剣撃は重なることによって渡り鳥のように

スラムの空に消えていった。


「くそ!外れた!!」


吠えるカゲルに2号が答える。


「今のがとっておきか⁈ならそれを超える装甲を作るまでよ!!お前等!メシの時間だ!!」


「まってたのだ!2号!!ご飯食べるのだ!」


「夜がいい感じに露を垂らしているじゃないか。ディナーにはちょうどいい。」


「え〜めんどくさいよ〜あと一時間待って〜。」


「、、、、!!」


「テメェ等バトル中は2号に従えっ!!メシの代わりにテメェ等食っちまうぞ!!」


まとまらない他竜を1号が黙らせた。


「じゃあ全ての影に祈りを込めて!

いただきまぁぁぁぁす!!!」


竜は7つの首を振り回しスラムの建築物を食べ始めた。


バキ、バキ、バキィ!!


爆発音のような音を口の中でたて竜はひとしきり建築物の影を吸ったあと。


ペッ


ゴォォォォォォン


吐き捨てた。


東京ドームの半分くらいの量を食べきったあと


「満腹ゥマンプクうううう!!!」


ご満悦の竜の肌に異変が起きた。明らかに肌の質感が変わりダイヤのようなカットが全身に見え始めた。それは光沢を帯び、成金特有の金と欲望の輝きを放った。


「もう!テメェの剣は効かねえっ!!

竜の対応力なめんじゃねえ!!」


スラム中に耳直通の竜の広報紙が配られた時だった。


ガゥン!!


ブラディがジンのアメーバを撃った。


ピギイイイイイイイイ!!


アメーバはのたうち回る。


「おおおい!同士討ちか〜!!」


2号が異変を察知しジャブを打った。


「いや…これでいい…。」


ガゥン!ガゥン!


更に銃を撃ちこむ。


ピギイイイイイイイイァァァ


気の毒にのたうち回るアメーバ、ブラディは

唯一の処方箋を持つ詐欺師のような笑みを浮かべた。


「クロックバレット調合…!!弾丸の中にアメーバを…。」


ぴ、ピギイイイイイイイイ!!


ブラディの舌のトリガーによりアメーバは

弾丸に取り込まれた。


そしてブラディは先ほどと同程度の笑顔を

見せ竜に言った。


「かかってきな消し炭竜…!美味いもん食わしてやる!!」







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