第21話 ドラゴンヘッドノヘッド
「テメェら騒がしいぞ!!」
明らかに他の首とは違う太さ、長さ、造形を
した竜は口腔内の水分を撒き散らすように
言った。
「1号のニキ!すいません!こいつ等言うことを一つも聞かなくて、、。」
2号は媚びへつらい、長い首をうねうねとさせて
服従の意思を示した。
「教育係のお前がそんなんだから舐められるんだ!!教育ってやつを教えてやる!」
ガブゥ!!!
「ギャァァァァぁぁぁ!!」
九頭竜の主は9号の喉元に齧り付いた。
「ちょ、ニキ!?何を、、⁈」
ガブゥ、ガブゥ!
ガブゥ、ガブゥ!バギィぃ!!
「くぎゃぁぁぁぁ!!」
絶叫と共に9号の首はちぎれ、スラム街の一角に落ちた。
ズウウウウウウウン!
命を失った物質は命なき構造物に墜落し、そこに住む弱者の命を奪った。
「俺が怖いか!!オマエラ!!それが恐怖だ!
俺はオマエラを恐怖で支配する!!」
ベチャッ
バゴっ
1号ニキのよだれはスラムのバラックに吹きかけられトタンの壁は吹き飛んでいく。
「やめてクレェ!これ以上街をこわさんでくれぇ!」
ババの絶叫に耳もくれず竜達の話は続いた。
「オマエラ!今のでわかったろ!!ニキを怒らせたらこうなる!首を引きちぎられたくなかったら!教育係の俺の命令には従うことだ!いいな!」
「ギャオス!」
「了解した!」
「、、、、。」
「わかったのだぁ。」
「1号ごめんよ〜もうめんどくさいなんていわないから〜。」
「後生じゃ1号!機嫌直しとくれ〜。」
1号の一撃で竜の背に広がる暗黒の大陸は完全なる独裁政権となった。
「よーし!ヨシ!俺様2号が指揮を取る!
俺の合図で全員一斉に火焔放射をスラムに放て!」
「了解!!!!」
「さーん、にぃーい!」
急に地獄へのカウントが始まった。
「来るぞ…カゲル…!ジン…!!
奴らのコントの間に話した作戦で行くぞ!!」
「ああ!!」
「いいいいいいいいちぃいいいい!」
「0」
9本の口から9色の火焔が一斉に吐き出された。
赤青オレンジ緑黄茶黄土白水色の炎は大気と街を押し潰さんと真っ逆さまに落下傘を始めた。
周りの温度が一気に変わる!!
ゴォォォォォォオ!!!!
「ジン!!よろしく!」
カゲルの合図でジンはスラム中の影をかき集め増殖させた。
「俺等の街を!!!!舐めんじゃねええええ!!!!」
集まったアメーバ状の影は1度ちぎられ増殖し
空に敷き詰められた。
「すごいよ!!ジン!!影が逆さまになって
空に浮かんでる!!」
興奮したカゲルを見ながらブラディは銃に弾を込めている。
ゴォォォォォォオ!
炎は空の影で遮られスラムには届かない。
「2号どうなってる!?炎が届かないぞ!!」
怒るニキは鼻から炎を吹き出した。
「くそぉスラムにあんな奴がいたなんて!
こうなりゃ直接突っ込んでぶっ殺しましょう!」
「せいっ、、のっ!!!」
黒龍は頭を下に向けて重力のままに滑空を始めた。
「空の影が邪魔だな!突き破っちまえ!!」
バリいいいい!!
九つの口は空の影を食い破った。
「ふぅ、、これで奴らをぶっころ、、、。」
影の先には誰もいなかった。
「それは目眩しだよ!生態系の頂点サマ!!」
上空からカゲルが現れた。
「シッコクノ風!!!!」
ザン!!!
「ピギエエエエエエ!!!!!」
8号のクビが落ちた。首はスラムに墜落する前に空のアメーバに喰われた。
「なんだお前等は!!」
「おれはシャドウワークスのサトウカゲル
お前の全ての首をいただく!!!」
2号の問いにカゲルは答えた。
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