メガネスーツ女子と未知との遭遇
頁10:秘めたる想いとは 1
(この辺りに登場する主要CAST)
男 (♂)… 平行宇宙の地球を創造する役割を【超GOD】により与えられたダルヨレ系チャラ男。一応世界の創造主という事で神様ポジションではあるが、
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「えぇ~…そんなァ~…」
一世一代の勇気だったのだろうか、思った返事を貰えなかった彼が悲しそうに漏らした。思春期男子の告白か。
「『元に戻れば無かったと同じ』と思っている限りは1ミリも許されるとは思わないで下さい。…それに」
「それに?」
両の手を開き、見つめる。
「体はいくら元に戻ろうと、私はあなたを殺した感触を忘れられなくなってしまいました。結果がどうであれ私はもう私を殺人者であると認識せざるを得ないんです」
先程私が彼にした実験みたいに特定の記憶だけを消せばそれでもいいのかもしれないが、
「忘れられない!? それってオレの事!? な、な、なら、あと何回か殺してくれてもOKだよ!? が、我慢するからサ!」
なんで嬉しそうに言ってんだ。忘れられないって部分だけ意味を曲解した変態なのか?
「そういう意味で言ってるんじゃない! 馬鹿!!」
「ひっ!」
思わず切れて怒鳴ってしまった。そして…
「あ───」
自分の頬を伝う涙に気付いた。気付いてしまったから、抑えられなくなった。押し込めていた感情も、震えも。
「え? あ、あの…」
「…許さない」
「ええっ!?」
「許さない…、許さない……、絶対に許さないんだから…!! う…、ううう…!」
許さない。
私をこんな場所に呼び出したあなたを。
私を何度も殺したあなたを。
私を人殺しにしたあなたを。
でも、一番許せないのは、父が私に
結局は私の未熟さが私自身を
だけど…どうして殺されなきゃならないの?
前世でも、生まれ変わっても。
どうして人殺しになっちゃったの?
自分だけ綺麗でいるなんて駄目ですか。
理不尽じゃないか。勝手な奴等は好き勝手にやって、なんで私だけはこんな目に。
悔しくて、馬鹿馬鹿しくて、悲しくて、憎くて、こんな激しい感情に掻き回されてる自分が自分じゃないみたいで、怖くて。
「あの…
「馴れ馴れしく呼ばないで下さい…!!」
自分でもビックリするくらい低くてガラガラの声だった。
そういえば、こんなに声を出してまで泣いたのはいつ振りだろうか。大きい声を出したのと同じくらいに久し振りかもしれない。
もういいや、泣き声まで
どうしたらいいか本気で分からずとうとう正座してしまった駄目カミサマの前で、私は声を上げて子供の様にしばらく泣き続けた。
◇◆◇◆◇◆
(次頁/10-2へ続く)
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