【分冊版】知識0から創る異世界辞典(ストラペディア) ~チャラ駄神を添えて~
degirock
知識0から創る異世界辞典(ストラペディア)~チャラ駄神を添えて~
メガネスーツ女子と無慈悲なる神と終わらない残業
頁01:「序文に代えて」
当作品には『暴力』『残酷』『流血』といった
『苦手かもしれない』と予想される方、そして自身には耐性が無いと御理解されているのであれば尚更、この先は自己責任にてお読み下さいます様、御願い申し上げます。
また、当作品は公開サイト毎に表現方法に差が御座います。
『
『
を公開しております。御興味を引かれましたなら是非とも併せてお楽しみ頂ければ光栄と存じます。
==============
「生きる実感を得る為に死と
乱暴に
痛みなど最終的には0に戻されてしまうというのになぜ残しておいたのだろうか。
「ただ、ね。オレの世界は別にキミのマトモを必要としてないんだワ。自分の立場、なんか勘違いしちゃったのかなァ?」
蛇の様にいやらしい
ともすれば現代女性が好みそうな整った顔立ち、という分類なのだろうが、だらしない
私は重力のせいで上手く動かせない口を必死に
「……私は、私が正しいと、思った事を、言っただけ──」
言葉は最後まで言い切れなかった。
不意に後頭部から強い力が掛けられ、顔の中心から地面に叩きつけられたからだ。───重力に引かれ先に地面に落ちた、長年愛用している眼鏡の真上から。
「───────────!!!!」
重力が加わった衝撃による耐えがたい痛みがすぐ
生臭い鉄の味が潰された鼻から
眼鏡が割れて、更にその破片が皮膚に突き刺さっているのかもしれない。
「───俺な、『正しさ』って価値観嫌いなんだ。
痛みへの反射か自然と横向きに寝転ぶ姿勢となった私の横顔に何かが落ちてきた。
それが彼の足だと分かったのは数秒遅れてだった。ちなみに
圧倒的な屈辱感に、まだはっきりとしない視界で怒りの
「『正しさ』って何ヨ? そりゃオレにだって善悪は一応あるけどサ」
女性の顔を素足で踏みつけるのは善悪どちらなのだろうか。
言ってやろうと思ったが口が上手く動かない。
私が何か言おうとしている動きに気付いたのか、顔を踏み付けていた足から重さが消えた。
と、直後に背中に強烈な衝撃。
恐らくは浮かした足でそのまま蹴られたのだろう。
打点が肺の辺りだったせいでうまく呼吸が出来ない。
「───正しければデカい顔で生きててOKで、そうじゃなければ死ねと?」
いつの間にかそこに現れた大きく
相変わらず
重力の
立ち上がり
「そうとは言って───」
「じゃあさ」
またしても
「キミが言う『正しさ』ってのが本当に正しいとして、よ?」
組んだ足を入れ替える。
「キミが
「…!!」
反論しようとしたが最適な言葉が選べずに詰まる。やっとまともに喋れる様になったのに。
「正しい規律、正しい人達、ああ正しき人生よ…ワタシは毎日が幸福で満ち満ちております~」
手振りを添え演技掛かった口調で
「限りなく死から遠いキミの言うマトモな世界で…キミはさぞかし生きる実感に包まれていたんだろうねぇ。オレの
「……」
足が、手が、全身が震える。怒りなのか何なのか形容し
開いた手を握り締めたい衝動に駆られる辺り怒りに近いのかもしれないが、必死に耐えた。
───なぜ耐えているのかも分からずに。
「満足ぅ?」
「ひっ!!」
思わず悲鳴を上げてしまった。
いつの間にか背後に回っていた彼の声が耳元で
「そりゃ満足だよねぇ…。あんな
(次頁/02-1へ続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます