三代ヒロインに囲まれたのだが、、、
ゆるる
第1話 須藤美咲
朝は嫌いだ。
朝起きて毎日思うことが今日も当たり前のように頭をよぎる。
「はぁぁ。」
ため息をついた。まだ寝ててぇな、と思いながら昨日夜遅くまでネットサーフィンをしていた時間を後悔する。
しばらくぼーっと天井を見上げてから、俺はこの憂鬱と眠気に負けないようにと、気合いでベッドから飛び上がった。
朝食はもう用意されていた。
いつもと同じ、食パンだった。
うちの家はバターを塗って砂糖をかけるタイプの食べ方が主流になっている。毎日同じでも砂糖食パンはめちゃくちゃ美味い。甘さの力って絶大だなって正直思う。
ピンポーン!!
「勇人遅い!!!学校遅れちゃうよ!!!」
外からそんな声がした。
もうそんな時間だったか、少しぼーっとしすぎた。
急いで残りの食パンを頬張り、歯を磨いて、制服に身を通すと、玄関の扉を開けた。
そこに立っていたのは、<須藤美咲>。
俺の生まれながらにしての幼馴染、小中高同じ学校に通っていて、その美貌と言ったらいつでも人を惹きつけている。
「ごめん遅れた。行こうか。」
そう言って彼女をみると、ほっぺを膨らまして、、、
「ねぇ」
「ん?」
「ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!!!」
始まってしまった。
美咲は俺の肩をぽかぽか叩きながら言ってくる。
「なんで!なんでいつもこんなに遅いの!?」
そう、俺が遅いのはいつものことだ。準備が遅いとその度にインターホンが鳴り、遅いと言われ、こうやってぽかぽか叩かれる。
「ごめんごめん。」
俺は落ち着かせるようにいうが、、
「ねぇ、、も、もしかして、私と学校行くの、嫌?なの?」
だんだん声が涙ぐんできてしまった。
そもそも一緒に学校に行くことを約束しているわけではないし、付き合ってもいない。なぜ毎日ここまでして一緒に学校に登校してくれるのか正直不明である。俺は一緒に登校する人なんて1人もいないが、美咲には友達など星の数ほどいるはずだ。ただ俺も毎日助けられているし、毎日こんな美少女と登校できる男子高校生もそんなにいないだろう。こんな毎日を過ごせることを誇るべきだと思う。
「俺も毎日登校できて嬉しいよ。」
そう返すと、美咲はいきなり顔を赤くして。
「もーー。」
とだけ返すと。
「行くよ!!」
と俺の手を引いて早足で歩いて行く。
俺の目には彼女の華奢な背中と真っ赤に染まった耳だけが映っていた。なんなんだこの子は、、そう思いながら楽しい朝を過ごしていたこの日。
俺は、初めて告白された。
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こんにちは。作者のゆるるです。
ライトノベルをカクヨムに上げるのは初めてになります。
ここからもっと面白いストーリーにしていこうと思っておりますので、もしよければ次の話も読んでいただけると嬉しいです。応援よろしくお願いいたします。
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