夜桜~戦国ノ巻~

桃井桜花

序章

月城莉菜つきしろりなは、戦国武将である石田三成いしだみつなりが大好きな女子高校生。そんな彼女にはある願いがあった。




 石田三成の処刑ルートを回避させたい。




 石田三成は一六百年に起こる関ヶ原の戦いで敗れ、逃走するが捕まり十月一日に処刑される。莉菜はそれをどうしても、回避して石田三成を幸せに暮らして欲しいと日々願っている。




 莉菜は、今日もそんなことを願いながら眠りについた。




 そして、夢の中で自分と似た少女と出会い、不老不死の力を授かる。だが、その力は強く、力を授かった者はに死ぬことが出来ないと言うのだ。




 しかし、莉菜はどうしても石田三成の処刑を回避させたいと少女に伝えると、少女はこう言った。




「もう後戻りは出来ません」




 と。莉菜は覚悟を決め、頷くと少女は莉菜に不老不死の力を授け消えてしまった。




 少女が消えたと同時に莉菜は、目を覚ますと戦場のど真ん中にいた。莉菜は、突然の事で困惑していると、後ろから鎧をきた男が莉菜に襲いかかろうとした。




 すると、黒髪の男性が莉菜を守り、莉菜はその黒髪の男性に手をひかれながら走り、安全な場所に身を隠した。その男性は、あの石田三成の無二の親友である大谷吉続おおたによしつぐだったのだ。




 これは、普通の女子高生がタイムスリップし、推しの処刑ルートを回避を目指しながら、乱世の世に翻弄されていく一人の少女の物語。

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