第65 -潤一27
愛を求めて生きたくとも死んだ町村と、愛を求めて死のうとしても生きる俺は、果たしてどちらが幸せなのか。
毎度のように、精も根も使い果たした俺は、ぐったりしていて、二人を寝かせつけたことを確認したあと、ふとそんな事を思った。
「ん、んん…♡」
「…ん…❤︎」
「……」
だからこれ、つまりどっちもヒドインってやつだったんじゃなかろうかと、絶賛生贄中の俺は、15年ぶりに目覚めてからは、そう思えて仕方がない。
そして現在は妻と娘に争いはシフトしていて、だいたいのアニメなら2作品目だとそもそも生贄を、例えばディスティニー的なお馬鹿な猪突猛進型とかにするだろうに、何故か俺がそのギロチン台に座っていた。
それから逃げようとしても、いい歳で、既婚者で、ダブルで妊娠していて、社会的にも魔術的にも縛られていて、あとせめて2年早くに目覚めていれば違っていたのかも知れないが、丼であり玉手箱でもあり、ギロチン刑は行使されていて、反語というか首はデュラハンがごとく薄皮も繋がってはおらず、首飾りなどとてもじゃないが、掛けれそうになかった。
つまりなんだかんだでいろいろもう遅かった。
何言ってるか自分でもわからんくなってきた。
アハ。
アハじゃねーよッ!
魔女なんてみんなくたばりやがれッ!!
それに、確かに猪みたいなものだが、ラッキースケベってこうじゃないだろ… くそっ、罪悪感で死にたくなるぞ…。
でも、日に日に常識が塗り替えられていくようなのは気のせいではないんだろうな…。
魔女って恐ろし過ぎる。
いや、そんなことよりシャワーに行かないと──
「ふふ、難しい顔をして、どうしたんですか?」
「?!ッ、あ、いや…」
いつの間にか綾香がじぃっと見つめていた。嘘だろ!? 回復早くないか…?! 早く抜け出してシャワーに行かないとまずい!
「その…まだ、大丈夫です、…ヨネ…♡」
「ッ!? …ソウダネ。モウイチドイイカイ?」
「ふふ、はい♡ あなた…キテ♡」
くッ! やっぱり抗えない!! ああ!! もちろん比喩だが夢みたいな穴に引き摺り込まれる!! 津波に攫われる!!
すると虹歌ものそりと起きた!
「ん、ん…あ、もぉ〜先に始めるとかないし〜…」
嘘だろ!? これ、無限ループが如く終わらねぇ…!?
というか何回か死んでないか、俺!?
「はッ、はは、ウッ、嬉しい、けど、ぐッ、はッ、ほ、ほら、明日、会、社ッ、ある、ッから、さ」
気持ちよくて止まらない!! というか綾香が止まらない!!
「ん〜…? じゃ〜あ〜…M&Aでもー仕掛けよーかな〜…なんちゃって❤︎」
虹歌はそう言って後ろから蛇のように抱きつき、甘い声で俺の仕事を脅迫してくる!
一回のロスの仕打ちがデカ過ぎるだろ…!! 無茶苦茶か!
「パパ、が、頑張っちゃおうかなぁあ!!」
「んふ。やりぃ❤︎ でもー、それなら早く終わらせないとね。じゅーぅ、きゅーぅ、は〜ち❤︎」
うぉぉぉおおッッ!!
「んん゛ッッ!? オッ! あ、あなたッ、激しッ、やッ、逝っ、オ゛ッ!? そ、手前ばっかりはらめなのおぉ゛ぉ゛お゛ッッ──♡」
「んふ。ほんと馬鹿みたいに投資家有利過ぎて笑うよね❤︎ 持つものの味方、政府。サンキュ〜❤︎」
何言ってるかわからんがなんか笑えないぞッ!! いぐぅぅうあああッッ!!
「代わりに少子化なんとかしてあげようね、ジュンくん❤︎ もーふやふやじゃん。お疲れ様。癒してあげる❤︎ふかふかで包んでー❤︎ ちゅっ❤︎」
「あグゥッッ!?」
「ほらすぐカチカチ山の超元気❤︎」
次は山火事かよッ!? やっぱり色気だけじゃなくて回復使ってないかッ!? 使ってるだろ!! 俺こんな絶倫じゃないんだぞッッ!!?
「あなた…虹歌のあとは…もう一度お願いしますね? 嫉妬デドウニカナッテシマイマスカラ…♡」
「そんなのッ、アーシモダシッ❤︎ 」
うぉぉおおおッッ──誰か俺を早く逝かせてくれぇぇええッッ───!!
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