第50話:罪の在処05
「金也ちゃんは童貞だよね?」
「だな」
喧嘩売ってんのかテメェ。
「鏡花ちゃんや朱美ちゃんにも手を出してないと?」
「校則違反だしな」
「なら尚更勉強しなきゃ!」
「オナニーのおかずならパソコンに詰まってる」
俺はデスクに置かれているノートパソコンを指し示した。俺の性欲を晴らす機能満載だ。無機物的な性奴隷だろう。JPEG検索されれば学校の屋上からダイブして適うようなデータが集まっている。
「いいからいいから」
フレイヤは何事も無く俺から奪ったエロ本を開く。
「わお!」
何が、わお、だ。
「金也ちゃんは知らないかもしれないけどエロ本ほど女性の胸は敏感じゃないからね?」
「そなの?」
「うん。これは女性が居れば十人十色で敏感な人もいるけども」
「お前は?」
「そんなでもないかな」
知って得する情報でもないな。
「あ、私のおっぱい吸いたくなった?」
「お前のおっぱいはいらねぇよ」
「頑なだなぁ」
「こっちの台詞だ」
「遠慮しなくていいのに……」
嘆息。ひねくれ男子を翻弄出来るのは世界でもコイツくらいのものだろう。
「で、エロ本を読んでどうしろと?」
「金也ちゃんの心構えを作る」
「何を以て?」
「親の責任」
「フレイヤが気にすることか?」
「金也ちゃんは格好いいから下手な女子が近づいてくるよ?」
「鏡花と朱美が牽制するから新たな出会いは諦めてるていはあるな」
「ぶっちゃけどっちが好きなの?」
「特に意識したことはないなぁ」
「男色じゃ……ないよね……?」
「不名誉だ」
不本意すぎる。ほとんど侮辱にも相当する。
「結局どっちかとあんなことやそんなことをしなきゃいけない日が来るから」
「それで勉強か?」
「うん!」
晴れやかな笑顔だった。遅咲きの向日葵だ。
「鉄ちゃんと初めてしたときは少しグダグダだったから金也ちゃんには同じ轍を踏んで欲しくないの」
ビッグなお世話だ。さもあらん。
「だからって女子と一緒にエロ本観賞は無いだろ」
「あ、お母さんに欲情した? えへへぇ。参ったなぁ。おっぱい吸う?」
「お前のおっぱいはいらねぇよ」
「照れちゃって。裸を見せ合う仲じゃない」
「勝手にお前が俺の風呂に突撃してくるだけだろ」
鏡花と朱美には未だ知られていないが、場合によっては血を見ることになりかねん。
「はぁ……」
「溜め息つくと幸せが逃げるよ?」
――お前が言うか?
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