第36話 冬は一緒に

初めての近距離恋愛、だが近距離だからといって会う頻度は1週間に1度。周りからすると遠距離の部類に入るのだろうか。夏に1週間に1度しか会えない切ない感情を歌詞にした遠距離の曲をよく聞いていたけれどまさしく状況が一致している。昔はこの曲の「あと5日」を「あと2ヶ月」として聞いていたことを思い出すとなんとも言えない感情になる。


「会いたいけど、毎日あってたら有難みが分からなくなっちゃうから、でも冬は一緒に過ごそう。過ごしたい」

そういう彼はどんな恋愛をしてきたのだろうか。

私と同じで、遠距離を経験してきた気配がする、けど近距離も経験してきた気配がする。

「イルミネーション見に行って、年越しは一緒にできないけれど年明けは初詣に行こう。試験終わったら一緒に旅行にも行きたいね」

また出来もしないかもしれない約束をしてしまった

壊滅的なくらい私は恋愛をするのが下手くそだ。

同じ道を辿らないようにと思っていても、辿ってしまう

冬を越して春も一緒に過ごしてと言いたくなってしまう

その確証がないのなら冬も一緒に過ごしたくないと本心が言っている

どうしてずっと一緒にいよう、と言ってくれた今までの好きな人は一緒にいてくれなかったのか

どうして好きな女の子を付き合ってる時に作って、離れて言ってしまうのか

彼はその話をしたら「僕は違うよ。そんな事しないよ」と言ってくれたが果たしてそれは信じていい言葉なのだろうか。

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