第4話
★ツカサ
祝福を受けた話をする前に学校に入学したときの話をしよう。
僕たちは学校に入学した。そこではやはり色々な人がいた。貴族の子供ということで周りに威張り散らしているものやその逆で謙虚なものなど様々な人がいた。威張り散らしているものの特徴としては努力をしていなかったことがわかるような戦闘力しかなかった。この戦闘力というのはこの学校独自の成績みたいなものだ。これは入学時に試験を受けさせられる。そのときに試験官と戦うことで学校が戦闘力を出
す。それによってこの学校はランキングを出す。これがこの学校、グリムス王立学園の最大の特徴だ。ランキングは純粋な戦う力を計測して出すため買収して不正に戦闘力を上げるとすぐにバレてしまう。そのため、この学園は不正が存在しない。それゆえにこの学園は強さこそが正義と言える学園を作り出すことができる。これはこの国グリムス王国が昔からある考え方に由来する。
学園の考え方の由来となったグリムス王国について説明をしよう。グリムス王国は3つの国に面している国だ。その性質上どこの国から戦争をしかけられるかわかったものではない。それゆえに貴族は前線に立ち、戦うことを強要された。貴族とは国に住む民を守るものであるという考え方があったためだ。その考え方があるからこそ民は貴族を信用し加護を求めて税を払っていた。そのため強い貴族は多くの資金を得ることができ富を増やしていた。そして、強い貴族達はより強いものを増やすことで国の防衛力を上げるために王立学園を立ち上げた。それがグリムス王立学園だ。
そのため、学園は強さこそが全てであるという風になっている。遺伝により才能がある貴族の子供は優遇されやすいがこの学園はそんなことは一切ない。弱ければこの学園を退学を言い渡されることも度々存在している。そうなった子供は、親から絶縁を言い渡され王都から追い出されることもあるという。そうならないために多くの人物は自身を鍛える。そんな中でも偶に自分の親が偉い存在であるからその息子である自分も偉いと勘違いしているやつがいる。それが目の前にいるやつだ。
「おい、貴様。そいつはな俺様の未来の妻になる女だぞ。そこをどけ」
そんなことを太った貴族は言っていた。それを言われた女性はどうやら怯えているようで首を振り助けを求めていた。そうだ、僕は何やら騒ぎを起こしているようだったので間に入ろうとしただけなのだが騒ぎに巻き込まれてしまったようだった。そして、この女性は僕に助けを求めていた。そんなこんなで太ったやつが僕に向かって罵っているのを落ち着かせようと声をかけていると見知った声が聞こえきた。
「ツカサ、どうしたんだこの騒ぎは」
この声は僕の義兄となるフレイだ。どうやら僕と同じように騒ぎを聞きつけてここに来たみたいだ。
「いや~助けようとしたら巻き込まれちゃって」
「それは巻き込まれに行ってるだろ。あんな奴が口で素直に引き下がるわけ無いだろ」
そう言われると僕は素直に頷くほかなかった。確かに口で指摘し素直に聞くならこんなさわぎになっていない。今この場には多くの学生が集まって見世物のなっていた。そんなことをフレイと話していると知らない声がした。
「そのとおりじゃぞ。こんな時は学園にある制度をつかいなさい」
声をする方に音を向けると入学式に見たことのある人物がいた。学園長だ。
「学園長!」
大物の登場で思わず声が出ていた。
「ホッホッホ。これよりこの二人で決闘を行う。二人は闘技場に移動しなさい」
その言葉で周りにいた生徒は大騒ぎになった。決闘とはこの学園の娯楽みたいなものだ。それら新入生同士のものなら2年生3年生は新入生の実力を見るいい機会となる。決闘を見ることで自分たちの派閥に入れることを検討したりする。それが新入生の決闘だ。
「僕は決闘をしようとは思わな「怖いんだろ。逃げろよ雑魚が」くはないです」
僕の言葉を遮るようにデブが話しかけてきた。あろうことか僕のことを雑魚といった。それは僕の家を馬鹿にする言葉に近いものだ。それが許せなく僕はこの決闘を前向きに考えることにした。あのデブを倒せば全て解決すると。
「ツカサ、わかってるよな。完膚なきまで潰せよ」
「わかってるよ、フレイ」
聞く人が聞けば憲兵に通報されてもおかしくないことを僕たちは話しているがこの言葉を聞いた周りの人間は興奮して騒いでいた。どうやらこの王都にきて娯楽にしばらく触れていなかったためこういうのが楽しくなっているみたいだ。そんな中で一人状況においていかれている人物がいる。それはデブに絡まれていた女性だ。
「あの!助けていただいてありがとうございます」
僕は感謝の言葉を掛けられて驚いてしまった。すっかりと忘れていたからだ。
「その言葉は不要ですよ。この決闘が終わったあとにしてください。そうじゃないと本当に助けたかどうかわからないじゃないですか」
この決闘はこの女性を巡って起こされたものとなるだろう。それゆえにこの決闘は勝った方がこの女性を手に入れられる。そのことを彼女に伝えると
「そのとおりですね。私はあなたを応援するのでがんばってください」
その言葉に忘れていた罪悪感もあり必ず勝たなければならないなと感じた。そうして闘技場に移動して言う最中にフレイはこんなことを言ってきた。
「ああいうのがお前の好みなのか」
その言葉に少し驚いたが僕は冷静に答えた。
「そうじゃないよ。ただ困っていたから助けようと思っただけ」
彼女は確かに美人だ。きれいな青い髪に大きく発達した胸、それにオドオドした雰囲気。見る人が見れば一発で虜になるだろうと伺える。でも、残念ながら僕はその対象にならなかった。
「それよりもあのデブって戦えるのかな」
名前も知らない女性の話からこれから戦う相手の話に自然と以降していた。
「ツカサが真面目にやれば勝てるさ」
その言葉はまるで僕が真面目に戦っていないみたいじゃないか。
「僕はいつでもま「着いたぞ」はあ~。頑張ってくるよ」
そう言いながら僕は闘技場の舞台に向かって歩いていった。
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