第10話
★フレイ
「マオウの復活?マオウとは何ですか」
ツカサは記憶をなくしているため、魔王のことを覚えていないようだった。
「魔王とはこういう存在だ」
親父が魔王とはどういう存在か教えることになった。
簡単に言うと魔王は魔族の王だ。ここでは魔族の説明が必要だろう。
魔族は魔界と呼ばれる領域に存在する人種だ。俺たち人間と違うことは魔獣と人間の両方の特徴を持っていることだ。まず、人型というのが人間の特徴、魔獣の生物としての特徴を引継いでいる。だが、最近では人間以外の人種を魔族と呼ぶ傾向がある。そのため、最近はエルフ、ドワーフなども魔族に分類されている。本来の意味でとらえるなら竜人が魔族に分類される。じゃあ、魔王は全部の魔族の王なのかと問われれば違う。
魔王は種族ごとに王が存在する。魔王にはいずれも共通店が存在する。それは種族で一番強いものがなるということだ。これにはどんな例外も存在しない。魔族は強さこそが正義と思っているためだ。
「なら、今回はどんな魔王が復活したのですか」
ツカサは魔王には何人か複数いることを理解し、どんな種族の魔王が復活っしたのかを質問をした。
「それはわからない。我々の知り合いに頼んで現存する魔王について調べてもらったがどの種族にも魔王が存在している。さらに先代について調べてもらったがいづれも死んでいる。つまり、今回の場合の封印されていたと思われる魔王の復活はどの種族のものなのか判明していないんだ」
「つまり、今わかることがあるとすれば強大な魔王が復活した。そして、その手引きをツカサがしたと思われていたんだ」
俺はツカサに対してそういった。
「僕が!確かに記憶がないからそうなのかもしれないけど…」
不安になっていたのか声がどんどん小さくなっている。
俺はしまったと思ってしまった。何もわからないやつを不安にさせるなんて馬鹿だ。確かに少し前はそういう考え方の奴がいたが、今は違う。ツカサは記憶を操作されていることを魔力反応でわかった。ツカサが今まで住んでいた両親も彼の近くにいた師匠と思われる人物も偽の記憶を植え付けられて生活をしていた。さらに、それを俺たち人間に察知されないようにするためにツカサの記憶を消した。そこまで、判明している。そのことをツカサに報告した。
「そう…だったんですね。あれ?でも、僕には彼と戦った記憶だけはありますよ」
それも魔法によって判明している。消去された記憶の復元を実行しようとした結果戻った記憶は直近の記憶である戦った記憶だけだった。この記憶は魔族の方でも重要視されていなかったみたいで簡単に復元が出来たという。
「なるほどそれでこの記憶だけ」
そして、思い出そうとして頭が痛むのはないものを無理やり思い出そうとするからだと教えた。たとえるなら、関節を逆方向に無理やり曲げようとしているようなものだとツカサには教えた。
「それならわかりやすいですね。じゃあ、僕には何もないんですね」
ツカサは自嘲気味にそうつぶやいた。確かにツカサは記憶もいなく両親と思っていた人物たちに記憶を消さた。あれが偽りの親だっとしても本当の親はおそらく殺されているだろう。つまり、ツカサは一人ボッチになってしまったわけだ。だが、そんなことは俺と親父が考えていないはずがない。
「ツカサは行くところがないだろう。だから、俺の家に住めよ。親父も俺と一緒に鍛えてくれるって言ってるからさ」
ツカサは落ち込んで下を向いていた顔を上げて驚きの声を上げていた。
「いいの。僕は本当は的かもしれないんだよ。
そ…それでも…ほんとう…に…ぐすっ…いいの」
泣きながらつまらないことをツカサは聞いてくる。
「俺の家はお前を引き取ることに決めたんだ。そんなつまらないこと聞くなよ。あとはお前がここにいたいか決めるだけさ」
「ぐすっ…よろしくお願いします」
ツカサは泣くのをやめ涙を拭うと笑顔でそう答えた。
「そうと決まればツカサ君、君の実力を測り、どのように育てるか決めないといけないね」
そういう親父の顔は楽しみが一つ増えたという顔をしていた。この家の一族でも俺は天才と呼ばれるほどの才能と実力を持っていたそんな中でツカサは俺とまともに戦うことが出来た。それが魔族の力だったとしてもだ。親父が育てれば俺のいいライバルになるかもしれないと思うと俺もワクワクしてきた。今までのつまらなかった生活が嘘みたいだ。こいつといればワクワクすることに満たされるだろうと感じた。
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