第104話 神アプデ
リナとクララにステータスオープン機能が解放された時以来だったっけ? アップデート通知は。
「今回は何の更新でしょうかね、と」
ちょっと好奇心で『いいえ』を押す……なんてことも頭を
『更新データ……2件』
『ロード中…………………………』
『……………………………………』
『……………………………………』
長いな、おい。
『…………………完了』
『インストール中……………完了』
『アップデートが完了しました』
『神託メールが2件届いています』
えらくロード時間が長かったけど、そんなに大きな更新が入ったのだろうか。
早速、信託メールの方を確認してみようか。どれどれ…………と。
『アップデート情報:
『アップデート情報2:情報の表示に関わる操作方法を変更しました。一部の情報表示方法が、長押しによる詳細表示からタップ時に詳細が出る操作へと変更されています。この機能は設定から前の操作系に戻すことができます。(アップデートされた時点でのデフォルトはタップ操作系になっています)』
「なッ…………!」
何ィーーッ!?
こいつは正真正銘の神アプデ来たァッッ!!
今まで
そういやスケさんの【受肉】スキルだって5カ月近くも続けてて、あとどれぐらい続けることになるのか見通せなかったんだよな。
Lv.2になれば状況も変わって、元からあった勇者関連のスキルとかも利用しやすくなるんだろうし、なんだかんだで活動範囲に縛りのある生活からは解放されるんじゃないだろうか。
もっとも、当人は特に気にする様子も無かったし、ヴァル氏のカロリーバーを魔法袋の方に常備することになり、緊急時への備えは万全。そのため、割と気長に構えているようなんだけど。
まあ、500年近くダンジョンにいたわけで、ほんの数年ほど多少の縛りが発生することなんて、気にもならないのかもしれない。
……なんか、どこぞのドラゴンとかの契約みたい話だな。『高々100年やろ』とか言ってね。
そんなことよりステータスだよ、ステータス。
情報2の『詳細表示』も気になるところではあるけど……こっちは実際に見た方が話は早そうだ。早速、確認してみないとだよな。
ロビンソン(ワタベ・ノブト)Lv.34/61%
▶︎空間収納 Lv.14/0% 成長ポイント:7
▶︎生活魔法 Lv.5/58%
▶︎鑑定 Lv.3/76%
▶︎気配察知 Lv.2/85%
あるな!
ちょうど上がったばかりの【空間収納】は0%だ。これはやはり小数点以下の切り捨て値だろうか。
四捨五入とか半端にやると、99.6%の時とかに『Lv.5/100%』っていうカンストなのか何なのか、妙な表示になってしまいそうだしな。
女神クエの報酬でもらった3スキルについては、やはり使用頻度が高い順でスキルも上がっている。
【生活魔法】は圧倒的に【
大抵の汚れは落とせる代わりに、血など汚れがひどい場合はMPの消耗が大きめになる。
もっとも、俺の場合は【空間収納】のおかげか元からMPが多めで、それが『成長』によってさらに上乗せされている都合で、残量なんて気にすることもなくホイホイ使っている。
むしろ、汚れるほど良い稼ぎ時なので、お得まである。恐らくその結果が、明らかに断トツのスキルの伸びとなっているのだろう。
【鑑定】は当初、【名称鑑定】と【性能鑑定】でスケさんの魔法袋の中身を整理する時に重宝したものの、実はこの【性能鑑定】が装備品限定だった。
そのため、魔物には【名称鑑定】で出てくる名前しか確認できず、その後に続くダンジョンでの探索中は利用価値がかなり低かった。
とりあえず名前だけでも調べておくかということで、ルーデミリュのダンジョン巡りの最中に【鑑定】を繰り返していたところ、後半に差し掛かった辺りでLv.3に上がった。
そこで出てきたのが【生物鑑定】で、魔物のHPやMPぐらいまでは看破できるようになって、以降は戦闘中にも使う機会が増えているため【生活魔法】に次いだ使用頻度になっている。
【気配察知】は最初、ダンジョンでの使用機会が多そうで期待していた。
しかし、街などの外ではどこに人がいるかといった場所が特定のできたものの、アジトダンジョン内では魔力が満ちているためなのか、ある程度敵が近い状況……例えば『部屋に敵が隠れてないか調べる』みたいな限定的な使い道しかなかった。
フィファウデではオークの位置を感知するのに割と役立った記憶があるんだけど……環境の違いとかだろうか? あるいは、ある程度強い魔物である必要があるとか、そういう。
いずれにしても、少しがっかりなスキルといった印象になってしまった。
まあ、使えないというほどでは無いので機会があれば発動させてはいたけど、【清潔】のように負荷をかけられるわけでもないし、回数をこなすしかなさそうで、半ば惰性的に繰り返していた。
しかし、その繰り返しも意味が多少なりとあったようで、もう少しでLv.3になりそうなところまで来ているようだ。これは気分的にも非常に助かる。
この世界においてLv.3辺りは何かしら新規に機能が
……それにしても、うん、アレね。
スキルの成長具合に対して、明らかに伸びすぎているよね。『
リナたちがようやくLv.20に到達したところなのに、俺はLv.34になっていた。
…………いや、だってね?
ルーデミリュでダンジョン巡りしてる最中、やっぱり
そうなると、俺のやる適切な業務ってのは、魔物を適宜分配したり、
目の前に山ほどモンスターがいるのに、1つも『
そんなことをスケさんに一連の手伝いをお願いする時に冗談混じりで愚痴ったら、『ほんなら女神像でパーティ組んだらええんと違う?』って言い出して。
今まで、パーティ編成ってのは冒険者ギルドの水晶を経由して行っていたんだけど、スケさんの時代は各地にある教会の女神像に祈りを捧げて行うものだったとか。
ステータスオープンの
ちなみに、パーティ編成の他にもステータスを確認する項目もあった。
スケさん曰く、かつては教会でステータスを確認したり、パーティを組むための申請をしたりしていたんだとか。
一応、一般には像に触れるとかは畏れ多いということで、礼拝堂とかで『祈る』という操作方法での起動だったそうなんだけど、まあそれはさておき。
その後、無事スケさんとパーティを組むことは出来た。
登録したままだったリナやクララをそのままにすることも考えたけど、どうやら『成長』のために必要な経験値ってやつは『一緒にダンジョンに入っている』という条件があるそうなので、どうせ経験値も入らないのであればと変な通知が行かないように、外すことにした。
後々から考えると、スケさんの高速討伐による
……ま、まあ、おかげで直近のダンジョン探索では伸びにくくなっている『
そんなことより、まだ確認したことがなかった各成長スキルの詳細の方を見てみないとだよな。
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