納棺師

体験談をします

「納棺師」という職業をご存知ですか。


 ご存知の方はどういったイメージをお持ちでしょうか。


 僕が自分は納棺師なんだと打ち明けて、「え、なにそれ!?」と興味津々で詳しく聞き出そうと身を乗り出してくれる人は二、三人でした。


「何か凄そうだね」と社交辞令で感想を添えつつ言外でこの話題から距離を置く人が多かったように思います。

「何でそんな仕事を目指したの?」と不可解そうに聞く人もいました。


 さて、納棺師という文字に魅かれてこの頁を開いてくださった方は、多少なりとも興味を持って下さったのだと信じて、今から納棺師の僕の経験談をします。






 納棺師歴十年の、僕の先輩は言いました。


「結婚式は取り止める事もできるし、しないって選択肢もある。でも大切なご家族のお葬式は絶対にするでしょう?

 納棺師はその人の人生の一番最後に出会うんやよ。その人が亡くなった後に出会って、お別れのお手伝いをする。

 火葬されてしまうわけだから、その人と二度と会うことはない。凄い仕事だよね」





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