転生後出会った師匠が世界最強賢者だった

@Eto_Shinkuro

第1話

 仕事だ。今日も僕はパソコンの前に最低8時間は座ってなければならない。始業は8時30分。12時から13時が昼休憩で、定時は17時30分だ。残業があるときはさらにもう数時間。少なくとも8時間はみっちり仕事しないといけない。

 仕事は忙しいからパソコンの前に缶詰で、僕がパソコンを操作しているのか、それともパソコンに操作させられているのか。さしずめ昼休憩は、僕というキカイのガソリン補給のようなものだ。パソコンは飲まず食わずでも働ける。僕の方が、劣っているのか。


 やれやれ、今日は18時に帰宅できそうだ。目薬をさしながら、疲れた目をいたわる。あつしぼがほしい。

 車通勤の僕は、愛車のデムニーに乗り、エンジンをかけ、帰り道を走っていた。交差点で止まり、左右の信号機が黄色から赤に変わり、こちらが青になるタイミング。アクセルを踏む。秋のやや寒い季節。窓から入る冷たい風も気持ちいい。周りは、落ち葉こそ多いものの、いつも通りの風景・・・ではない。交差点の信号機が4色ある。赤・黄・青・マゼンダ。マゼンダ?赤じゃなくて?どのみち青の左側についてるんだからありえない話だ。というか、青じゃなくてマゼンダが光っている。


「え、青のタイミングだろ・・・」とっさに言葉が出る。アクセルは踏んでしまっている。


 どのみち止まるのも変だし、アクセルを踏んだまま直進した。でも、興産店の中央からは、直進できない。自分でもびっくりだが、交差点の中心から真上に飛んでる。え・・・ビル5階分くらい上ったところから、周りが白い光に包まれる。いや、おかしいだろ。夢だろ絶対。


 「ピピ・・・スキャン完了しました。対応色、マゼンダ。スキル、魔力夢想無双」


 へんな声が頭の中に響く。え、え、白い光は強くなり、もはや自分の手も見えない。


 次に周りの景色が見えたときは、僕はへんな紋章の上に立っており、周りはマゼンダ基調の澄んだ空間にいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る