第15話 ドラゴンスレイヤー
ギルドの依頼でドラゴンを討伐しに来たロッサ達。ドラゴンがよく姿を現す場所というのはドルガリンから北の方角に位置する山岳地帯によく出没するという噂を聞いた。山岳地帯にやってくるとロッサはドラゴンよりも何か希少な鉱石が無いか探していた。
「なんかレアな鉱石無いかなぁ・・・」
クエストそっちのけで目を輝かせているロッサに対してマロンは少し呆れていた。
「物作りが好きだからってここまでテンション上がるかね。」
ロッサはそう言われると気持ちをドラゴンに向き直してドラゴンを探した。しばらく探しても全く出てこないドラゴンにマナは言った。
「うーん。いないわねぇ。本当にここら辺にいるのかしら。」
するとグローリがドラゴンの噂を語ってきた。
「何でも採掘中の人間を狙ってるらしいじゃねぇか。だったら俺らもなんか採掘するか?」
ロッサが採掘の言葉に反応する。
「さ、採掘?!」
また目を輝かせるロッサは二度と同じ過ちを犯さない落ち着きを取り戻し周辺の鉱石を採掘し始めた。ちなみに鉱石の種類はタイト石という普通の鉱石とはまた違う山岳地帯でしか採れない硬い鉱石なのだ。
「ふっふっふ。この鉱石ちゃんを何に変えてやろうかな。」
ロッサがそう言うとマロンはやれやれと肩を揺らした。
しばらく時間が経つと急に強い風が吹き上がり辺りを見回すとドラゴンが翼を羽ばたかせながらこちらに向かってきていた。するとドラゴンは採掘中のロッサ達に向かって炎のブレスを吐いてきた。ロッサ以外の仲間達は難なくかわしたが採掘に夢中だったロッサはもろにドラゴンのブレスを食らってしまった。
「あっちぃぃぃ!」
ロッサは叫びながら自分の尻から炎を燃え上がらせながら走り回った。そんなロッサを置いといてマナとロウガとグローリはドラゴンに立ち向かった。グローリが突撃して行き大剣を抜き剣を振り下ろした。するとドラゴンの硬い鱗に傷をつける事が出来た。グローリはロッサに作ってもらった大剣に驚いていた。
「やっぱ切れ味すげぇな!!」
「次は私の番よ!」
マナはそう言うと巨大な氷の塊をドラゴンの頭上に作り出し氷の塊をドラゴンに落とした。
「アイスストーン!」
マナの魔法を食らったドラゴンはうろたえると思ったのだがまるで効いていないような素振りを見せた。
次にロウガが物凄い速さで走って行きドラゴンの足を嚙みついたが効いておらず払いのけられてしまった。
ロッサの尻に着いた炎が消えた頃、三人はドラゴンと良い戦いをしていたが徐々に劣勢を強いられていた。三人の魔力や体力が減って来ていて攻撃があたらなくなってしまった。それを見かねたロッサはドラゴンの前に立った。ドラゴンは尻尾で攻撃を仕掛けてきたがロッサは軽々とかわし片手剣を抜いてドラゴンの尻尾を切ってしまった。ドラゴンは切られた尻尾を見つめながら驚いていた。
「私の尻尾がぁ・・・」
するとロッサはドラゴンに語り掛けた。
「何故人間を襲うんだ!人間に恨みでもあるのか?!」
ドラゴンは答えた。ドラゴンは自分の快楽で人間を襲っていると言う。人間が死んでも構わないと言ったのだ。ロッサはそれを聞くとドラゴンを倒す決心がついた。
「そうか。それじゃあ仕方がない。これで終わりだよ!」
ロッサは魔法で大きな魔法の剣を作り出し手を振りかざし叫んだ。
「大魔剣(だいまけん)!」
ドラゴンの頭上から魔法の大剣がドラゴンの体に刺さり致命傷を負ったドラゴンは息絶えた。
「さぁ!ドラゴンも倒したし!採るもの採って帰ろうか!」
呆気なくドラゴンを倒したロッサにマナとグローリが言う。
「相変わらず規格外ね」
「ロッサはそうでなくちゃなぁ!」
ロウガは偉大だと感じる。
「流石は主!」
ロッサ達はドラゴンの牙や鱗を採取すると早速依頼を完了しようとギルドに戻った。依頼を完了したことを伝えるとギルド全体が驚きで溢れた。
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
国を騒がせていたドラゴンを倒してしまったロッサはドラゴンスレイヤーと呼ばれるようになってしまった。そして報酬を受け取るとその後に採ってきたドラゴンの素材と硬い鉱石のタイト石を鍛冶台で合わせて新しい剣を作ってみた。できたのはなんとドラゴンキラーと名の付く片手剣。ドラゴンスレイヤーに相応しい武器だとロッサは自画自賛していた。
武器を作り終わるとロッサ達の目の前に兵士が現れたにで何事かと思ったのだが、なんとドルガリンの国王がロッサ達に会いたいと言ってきたという。ロッサはまた面倒ごとに巻き込まれるのかと思いながら兵士に答えた。
「ま、まぁ会うだけだったら・・・」
するとマナの胸がざわつく。
「なんか嫌な予感がするわねぇ。」
ドワーフの王に呼び出されたロッサ達は何を言われるのか注意をしなければと身を引き締めるロッサ達であった。
「よっ!いいぞ!ドラゴンスレイヤー!」
次回へ続く・・・
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