第6話 国王のたくらみ

 今か今かと待ち焦がれていたロッサ達三人にやっと国王の護衛がやってきた。国王の元へやって来ると国王が兵士たちを鼓舞していた。


「さぁ!東の国ブラウンに行くぞ!護衛の皆!私の護衛頼んだぞ!」


 なんと国王が言うには東の国ブラウンに向かうというのだ。ロッサはどこにあるのかとエリカに聞くが予想以上に遠かった。馬車で丸二日ぐらいかかる遠い国だったのだ。ロッサは聞いていた事と全く違う内容だったので驚いた。


「話が全然違うじゃないか!!」


 エリカは急な依頼内容の変更に困っていた。


「はぁ、国王は毎回あやふやな説明をするからなぁ。こういった所が無かったらいい国王なんだけどな。」


 少し国王の愚痴をこぼすエリカだったがしょうがないと思ったのかすかさず馬車に乗り込んだ。


 早速出発すると最初の数時間は安全だったが大分先に進んだ後外から野蛮な男達が通せんぼをしていた。国王が遠征するという情報があったのだろうか待ち構えていたのは盗賊のような姿をした数十人規模の人間達だった。


「さぁ!金目のもん全部置いて行ってもらおうか!そしたら王様も無事に返してやんぜ。生きてるかどうかは知らないけどな!」


 エリカはここで自分達の出番だと思ったのか颯爽と表に出る。ロッサとグローリも後に続いて馬車を出た。


 そして間もなく戦闘が始まった。エリカ、ロッサ、グローリの活躍もありあっという間に盗賊達は無力化されたのだった。そして国王が馬車から出てきて盗賊達に言い放った。


「何故我らがこの道を通ることを知っていた!誰かに命令されてきたのか!答えよ

!」


 盗賊達は答えようとしなかったので国王は自らの魔法で盗賊達の口を割った。その魔法というのが相手の精神を操り自白させると言った国王のオリジナル魔法だったのだ。ロッサはこの世界にオリジナル魔法という名の魔法があることをここで知った。


「こんな魔法が有ったなんて!すごいなぁ。」


 国王自ら盗賊を自白させいて分かったことが二つ。一つは命令してきたのはステイルの大臣からだという事。二つ目はその大臣は裏組織のボスであるという事。国王は盗賊からの言葉を聞くと酷く怒っていた。


「やはりな!怪しいと思った!我が国に織りなす外道め許さんぞ!」


 怒りを露わにしていた時国王がロッサ達に行った。


「今回の遠征の目的はブラウンに向かう事では無くこやつらの様な私の命を狙う者を炙り出す計画だったのだ。付き合わせて悪かったな冒険者よ。国に帰ったら褒美を出すとしようぞ!」


 国王の衝撃的な話でグローリが一番驚いていた。


「ま、まさかこんなことになるなんてなぁ!ビックリだぜ!!」


 驚きを隠せないロッサ達は困惑していたが、問題が解決したのならそれで良いとロッサ達は思うのであった。そして王都ステイルへ帰っていくのだった。


 王都に戻ると国王が早速褒美をくれた。その褒美とは10000G冒険者のランクアップだった。Dランクだったロッサのランクが上がってAランクになったのだった。グローリはAプラスになりエリカは変わらずSランクのままだった。いきなりの大金とランクアップでロッサ達はそれは喜んだ。王都での仕事は大変なものになると思っていたがあっけなく終わると思ってもいなかったので良かったと思っていた。


 すると国王が続けて頼みごとをしてきた。


「それでな。まだ頼みがあるのだが・・・」


 国王からの頼みとは盗賊から聞き出した大臣の確保だと言う。何せ裏組織のボスだというのだから一筋縄ではいかないだろう。だが、あっという間に盗賊達を退けた腕前を見て国王自ら頼んできたのだった。


 ロッサ達が考える時間も与えない程の速さでエリカが名乗り出た。


「王の頼みとあらば聞かない訳にはいきません!」


 ロッサ達が了承する前に返答してしまったエリカだったがロッサ達は続いて了承をして城を後にした。


「国王があんなに頭の回る人だったなんてなぁ!ビックリだぜ!」


 先程から驚きすぎなグローリに向かってロッサがツッコむ。


「グローリはさっきからビックリしまくりだね!」


 そんな風にツッコまれたグローリに皆が笑う。


 国王が言うには今夜十一時頃に裏組織があるとされている場所へ向かってくれというのだ。ロッサ達はそれまでしばしの休憩をとるのであった。


「危険な事がないといいなぁ・・・」


次回へ続く・・・





















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