HOLLOW TESTAMENT (ホロウテスタメント)

山悠

旅立ち 編

第1話 ロッサの冒険始まる

 ある山の奥地で一人の青年がひっそりと暮らしていた。その青年は動物と会話ができるうえに、なんと。異世界からやってきた転生者なのだ。

 

 青年の名前は(ロッサ)転生前は(寺井誠)28歳独身。ロッサの年齢は18歳。異世界ではとっくに成人している年齢だ。異世界では15歳で成人年齢になるのだ。


「今日も一日が始まるね!」


 ロッサは自分の肩の上にいる黒猫に話しかける。その猫の名はロッサの相棒のマロン。マロンはロッサが幼い頃森で出会った唯一の友であり親友。見た目は真っ黒な黒猫でいつもロッサにくっついて離れない。肩に乗れるほど小さく耳元でロッサに語りかける。


「今日は何をするんだい?魚釣り?それとも栗拾い?」


 そう言うとロッサは考えだし、数秒経った後にこう言った。


「そろそろ山を出て旅に出ようと思う。」


 マロンは驚き聞き返す。


「なんで?また急だね。しかも旅だなんて危険かもしれないよ?それでも行くの?」


 ロッサは前々から山から出て外の世界を知りたいと思っていた。旅に出て色々な生き物や人間と出会い世界を知りたいとそう思っていたのである。


「うん。行くよ!そのために色々準備もしたしね!」


 時は10年前に遡る。ロッサが転生する前に得た色々な能力がある。一つは動物と話ができること。この能力のおかげで山に住んでいる動物達に薬草や山菜の場所を教えてもらい採取が楽になり食べ物に困ることは無かった。その反面。狩りでは動物の命を貰うため動物ぼ悲痛な叫び声やうめき声もロッサの耳に飛び込んでくるため、最初の頃は苦痛で罪悪感がロッサを苦しめていたが、生きるためには仕方がないことと命を貰う大切さを知り、より動物への愛と尊敬の眼差しを向けるのであった。


 二つ目は魔法が使える事。本人は気づいていないがたいていの魔法は扱えるようになっている。この世にある魔法の属性は全部で七つ。火・水・土・風・雷・闇・光の属性の魔法がこの世界には存在している。その七つの属性の魔法をロッサは扱うことが出来る。その事を本人はまだ知らない。今のところロッサが扱っているのは火と土と水の魔法だ。全て独学で、生活に必要な使い方や戦闘や狩りに使える程度の魔法をこの10年で身につけていた。


 三つめは身体能力が人並み以上に高いこと、わずか8歳にしてゲームや漫画にでてきたバトルスタイルを習得し、中々様になってしまうくらい戦闘センスがいいのだ。


 そして10年。魔法や体術を独学で磨き、いつか旅に出るであろうその日まで鍛錬を続けていたのである。


「そっか。じゃあしょうがないから僕もついていくよ!僕がいないと寂しいでしょ?」


 ロッサはマロンにそう言われるとすかさず言葉を返した。


「もちろん!相棒がいないと旅はつまらないよ!」


 そしてロッサ達は準備を整え旅に出るのであった。


「さあ僕とロッサの冒険が始まるぞ!!」


次回へ続く・・


















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