第36話 俺は後悔しない
翌朝、目を覚ました俺は俺の左腕を枕にして一糸纏わぬ姿で眠っているリアを見つめている、お前の気持ちに応えることは出来ないとか何とか格好つけた事言っておいて、結局抱いてしまった・・・これで良かったのかとも思う。
俺がそう考えているとリアも目を覚ました。
「おはよう」
「おはよう朝人さん」
と、最高の笑顔で俺を見つめて強く抱きついてくる。俺も抱きしめ返すと
「好きな人に抱かれるって、一緒に眠れるって最高に幸せなんだなってわかったよ」
「かわいいなリアは」
そう言ってキスする。リアも抵抗なく受け入れてくれる。
うん、こいつのかわいさに抗えるわけないわな、抱いた俺グッジョブと思っていると、
「ねえ、この世界は一夫多妻なんでしょ」
「そうらしいな、この世界は冒険者が仕事として普通だから、魔物なんかと戦って亡くなったりするしな、だから強い稼げる男に女が集まるらしい」
「だから、朝人さんのとこにも女性が集ってくるわけだね」
「何言ってるんだ、集ってなんて来てないだろ」
「だって、セイラとかソフィアさんとか朝人さんのこと絶対狙ってるよ」
「気のせいだろ」
「もう、わかってるくせにさ」
分かっていてもそれをリアの前で認めるわけにはいかんだろ。
「ねえ、セイラとかソフィアさんも抱いてあげてね」
「ブフォッ、な、なに言ってるんだよ」
「だってセイラ達も朝人さんが好き。だったらセイラ達にも好きな人に抱かれて眠るって幸せな気持ちを感じて欲しいって思って」
「リアはそれでいいのか?」
「うーん、嫉妬するとは思うけど、朝人さんって私が独り占めしちゃいけない存在かなと思うし」
「・・・・・」
「それに、朝人さんって天然の女ったらしだから。
朝人さんは日本の感覚で冗談のつもりで言うんだと思うけど、この世界の女ってちょっとした事でも真面目に受け取るんだと思う」
「冗談も言えないか」
「昨日、セイラやソフィアさんにもそれらしき事言ってたじゃない」
・・・身に覚えがありすぎる、特にソフィア、さらけ出せ、受け止めてやるとか言っちゃったもんな。
「・・・そんな大した事言ってないと思うけど」
そう言えば、アリアにもそれらしき事言ったような・・・いや、大丈夫だ、でも好みだって言ったな。
「それは受け取る側次第だよ。まあ、私の事は気にしないでこの世界でたくさん子供作ればいいよ」
「なんでそういう考えになるんだ?」
「この世界に朝人さんの子供がいっぱいいたら、きっとこの世界はもっといい世界になると思うんだよね、レッドファルコンの子供だよ、人間が安心して暮らせる世界にしてくれるって」
「そうかな」
「絶対そうなるって。だからたくさんの女性を抱いて、皆を幸せにしてあげてね」
「俺はリアがいればそれでいいんだけどな」
「だって、朝人さんと一緒に居れるのって後少しなんだよ、私が日本へ帰ったらもう逢えないかもしれない。それなのに朝人さんを縛り付けて置くわけにもいかないよ」
「あと少しか・・・リアも日本へ帰ったら幸せになって欲しいな」
「それは無理」
「なんでだよ」
「仕事では充実するかもだけど、朝人さんがいないんだから無理なの」
「そうか・・・そう言えば昨夜は俺が取られちゃうって騒いでなかったか」
「うっ、そういう事言ったような言わなかったような・・・」
「「いやだ、朝人さんを取られちゃう、それは絶対にいやだ」って言ってたぞ」
「そ、それはね、あの時は抱いてもらえるかわかんなかったじゃない、だから余裕なかったの。でも今となっては、抱いてもらった女の余裕っての?私は心身ともにこの人の女だって言う余裕、名実ともに私はファルコンに愛された女になったの。わかんないだろうなあ」
「うん、まったくもってわからんわ」
「朝人さんはわからなくてもいいの」
「・・・そろそろ起きてご飯行こっか」
「うん、お腹空いたね」
俺達は着替えて顔を洗って食堂へ行く。
食堂には優子達勇者がいた。俺達を見つけた優子が
「ちょっとリア、あんた部屋に居なかったけど、まさか朝まで朝人さんと一緒にいたんじゃないでしょうね」
「羨ましいの?」
「べ、別に羨ましくなんかって、マジで一緒に居たの?」
「うん、朝まで一緒だったよ」
「ガーン」
優子よ、どうしてお前がショックを受けるんだ、そして四つん這いになって項垂れている平山よ、なんかすまん。
そこにセイラがやってくる、優子と平山を見て不思議そうな顔をしているが
「ファル様、食事を取られたら、神殿へ向かおうと思います。本日は昨日の方たち以外に、私の父である、国王陛下と王太子である兄、そしてこの国の宰相、テレサ教の教皇猊下が同席いたします」
「錚々たる面々だな。まあ構わないが一言言っておく、もし俺やリア、その仲間達に無理難題言ってきたり、害そうとしてきた場合は容赦しないからな、国が無くなると思えよ」
「分かっております、まだアサト様がファル様だとは言っておりませんが、知った場合はとんでもない事になりますでしょう。特に兄上が」
「あー、どうなるか楽しみだよね」
「俺みたいにどん底に落ち込めばいいさ」
美由紀と平山がなんか言ってるがどういう事なんだろう。
俺達は食事を終えてから神殿に向かう。
俺とリアは歩いて向かい、他の面々は馬車で向かう。
のんびり街を歩きながら神殿に向かっていると、
「そう言えば、レオンって王太子なんだけど、私の事を変な目で見てくるんだよね」
「まあ、リアほどの美少女なら大抵の男は変な目で見てくるだろうな」
「朝人さんもそんな目で見てたの?」
「いや、俺は・・・・正直言うと、見てたな」
「えええっ、そんなあ」
「まあ、俺の場合、リアはアイドルだし会ったことも無かったし、手の届かない女の子って意味で神聖な女の子って感じで見てた、簡単に言えばTVの中にいるアイドルって感じかな、で、こんな女の子が俺の彼女ならって妄想してたな」
「そうなんだ」
よし、上手く誤魔化せたな。
「それがまさかリアが俺の女になるなんて、世の中って何がきっかけで何が起こるかわからんもんだよな」
「ふふっ、俺の女ってなんかいいね」
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