溢れて止まらない好きを止める方法はあるのか
私は勇気を出して
直接会ったら絶対に私は、きっと怖くて何も伝えられないから。
「もしもし?どうした?」
「あ、えっと…こんなこと言わなくても良いかなって思うんですけど、私しばらくお店に行けそうになくて」
「…そっか、頑張れよ。応援してるから…そんで終わったらさ顔出せよ」
「…はい!」
そんな事言われたら、今すぐ会いたいと思ってしまう…でも今は我慢だ。
「あの隼人さん」
「ん?どうした?」
「…大好きです!じゃあお休みなさい!」
「え、あ…!ちょ!」
私は彼の静止を待たずにそのまま通話を切った。
緊張の糸が切れたのか私はそのままズルズルと自分の部屋の壁にもたれかかって大きく息を吐いた。
私の顔は熱い、きっと赤くなっている。
これが今の私に出来る最大の勇気だ。
もう少しでこんなドキドキしたり好きな人の言葉で一喜一憂する日々も終わる。
私と彼の長い中学三年生から始まった恋も終わりがやってきたのだ。
恋に恋する女の子はただの女になるのだ。
そこには可愛さはないただ現実を見て過ごすだけ。
隼人さん以上に好きになる人も現れるかもしれな、い…想像はできないけど。
でも隼人さんの事をいつまでも好きでいる事はきっと迷惑になる。
…私は自分の恋愛に期限をつけて良かったなと心の底から初めて思った。
今までどこかにあったのだ。
諦めたくないってこんなことで自分の恋を終わらせたくないって。
でもいつかは、その日がやってくるのだ。
…それがもうすぐ近くにあるだけ。
「やだよ…私…分かってるのに…実ることなんてないって理解してるのに…」
私は枕に顔を沈めて、本心を吐き出した。
隼人さんのことをいつまでも好きでい続けたい。
私が辛くなった時に家族でも友達でもない他人の彼が声をかけてくれた、優しさをくれた。
そんな人を好きにならないわけがない、そんな彼への想いを捨て切れるわけがない。
好きなんだ、愛おしいんだ。
だからちゃんと最後の好きは、いつもより真剣に伝えないといけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます