第33話 ディップ

 みなさん、Dip(ディップ)、ってご存じですか?


 あの、固めのSauce(ソース)みたいなやつです。vegetable sticks(野菜スティック)

につけたり、……野菜スティックにつけたり……ええと、野菜スティックに……。


 日本だと、それ以上、いい例が浮かびません。


 でもアメリカ人、ディップ大好き。


 まず、Chips(チップス)にdip(ディップ)するSalsa(サルサ)。Salsa(サルサ)は、トマトベースのディップです。Jar(瓶)入りのだとgreen bell peppers(緑色のパプリカ)が入っていたりします。瓶入りディップでもう一つ有名なのは、チーズディップ。(チーズと言いながら冷蔵庫に入れなくていい、というのが結構こわい)


 サルサは、瓶入りでなければ、トマトと紫の玉ねぎとハラペーニョとパクチーを細かく切ったものをとライムジュースと塩で和えた「ピコ・デ・ガヨ」とか、一番シンプルなのは少し火を通したトマトを少量の水でミキサーにかけたもの。


 あとはアボカドベースのguakamore(ワカモレ)ですね。これはgrocery store (スーパーマーケット)の冷蔵庫セクションに売っています。あとはひよこ豆ペーストのhummus(フムス。英語読みだと「ハマス」)、だったりします。


 このチップスはディップ用の塩味しかついていないTortilla chips(トルティヤチップス)だったり、それこそ、味のついているDoritosなどのトルティヤチップス、ポテトチップス、ピタをカリカリに焼き上げたピタチップス、プレッツェル、プレッツェルを薄くしたプレッツェルチップス。最近ではカリフラワーでできたカリフラワーチップス、キノアチップスなんかもあります。


 でも、アメリカ人の一番好きなディップは、Ranch(レンチ)です。日本語ではランチともいいます。アメリカ読みで言うと「レンチ」だし、日本語のアルファベット読みすると「ランチ」です。


 というのは、Ranch(農場)の発音は、日本語にない「r」だからです。


 そして、そのあとは「エー」と読む「a」。覚えてらっしゃいますか? チューの口をしたまま「レンチ」というと、この音になります。


 これ、ドレッシングにもなっていますが、どういうものなのでしょう。


 一番簡単にその味を再現する方法は、Sour cream(サワークリーム)とmayo(マヨネーズ。ただし、英語読みだと「メィヨ」となります)、塩コショウとオニオンパウダーとガーリックパウダーをまぜ、パセリのみじん切りを混ぜたやつです。


 でも、この材料って、日本人にとってはあんまり身近じゃないですよね。なので私は、みじん切りにした玉ねぎとニンニクを黄色くしんなりするまで炒めたものと、無糖のGreek yogurt(ギリシャヨーグルト)とマヨネーズを1:2:2くらい、少量のはちみつと塩コショウ、パセリのみじん切りを混ぜたものを使います。


 こうすると、なんちゃってranch dip(レンチディップ)の出来上がり。


 これは、色々なものに使います。

 まず、野菜スティック。定番ですね。

 あとは、上記に挙げたチップス類。


 ゆでてみじん切りにしたspinach(ほうれん草)を入れるとスピニッチ・ディップ、アーティチョークを入れるとアーティチョーク・ディップになります。どちらも人気のディップで、こちらはピタチップスにディップすることが多いです。


 驚きなのは、pizza crust (ピザの端っこ。The edge of the pizza とも。パンの耳も、同じくcrust)。具の乗っていない部分をranch dip(レンチディップ)につけて食べます。


 いや……端っこだけじゃないですね。真ん中の一番おいしいところをそのままドブン、とダイブさせて、レンチディップまみれにして食べてます。


 このranch dip(レンチディップ)、ギリシャヨーグルトではなく、ふつうのヨーグルトで作るとドレッシングになります。それでも少し硬い場合は牛乳でのばしてやわらかくします。このドレッシングで和えてパルメザンチーズと黒コショウとクルトンをのせたらシーザーズサラダ風にもなります。



 そして、ranch dip(レンチディップ)といえば、Buffalo wings(バッファローウイング)。


 バッファローソースというタバスコみたいなhot sauce(hotには熱いと辛い、両方の意味がありますが、この場合、辛いソース。辛いときにはspicyよりもhotを使うことが多い気がします)に、バターとかオニオンパウダー、ガーリックパウダーなどを混ぜたソースで、主にチキンに使います。


 このソースを絡めたチキンを、レンチディップにつけて食べます。特にwings(手羽中、手羽先)が有名です。で、だいたいセロリスティックが添えられます。このセロリがまた、レンチによく合うんです。

 

 また、deep fried chicken(揚げたチキン料理)も、ディップして食べることが多いです。


 バッファロー味はレンチほぼ一択ですが、バッファロー以外の味付けのチキンだと、ハニーマスタードとかブルーチーズとか、バーベキュー味などのソースをつけます。


 黄色いⅯのハンバーガーショップ(こっちではMickey Dなどと呼ばれたりもします)のチキンナゲットについているソースと同じ感じです。

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