「どうやったら英語がうまく話せるの?」と聞かれた時に、私が答えていること。

月森 乙@「弁当男子の白石くん」文芸社刊

第1話 アメリカ人の国民性

 最初に言っておきます。私の英語は、アメリカ英語です。イギリス英語はほぼわかりません。それでもいいという方だけ、読み進めていただければと思います。


 まず、何が一番大事かというと、彼らがどういう人たちか、というのを知ることです。すると、失敗したな、と思っても、心は折れません。


 アメリカ英語。よく言われることですが、中学校レベルの単語しか使っていません。

 英語が得意な日本人と、アメリカ人との会食に同席する時、日本人は会話が通じて大満足でかえって行きます。でもアメリカ人からは、大体後で聞かれます。

「で、あの人何言ってたの?」

と。

 英語が得意な方は、受験で使ったような難しい単語を多用しています。アメリカ人、それ、知りません。

 彼らとショートメールなどでやり取りしていてわかること。


 文法、めちゃくちゃ。意味わかんねー!


 最初は、私の文法が間違ってんのかと思いました。でも、そうじゃないらしい。


 なので、自分の文法がめちゃくちゃでも気にすることはありません。わからなければ聞いてくるし、意味がわかんなかったとしても、全然オッケーです。


 病院とか、そういう、「必ず意味が通じていないと困る」場面以外では、正直、どーでもいいんです。で、意味が通じてないと困るときは、しつこく聞いてきてくれます。それはアメリカ人同士でも同じことなので、自分の英語力のなさを気に病むことはありません。


 ちなみに、美容院で「こうしてね、ああしてね」と言って、「わかった」と言っても、その通りになる確率は半々ぐらいです。生活全般でそんな感じです。約束してもフツーに来ないし、「来たらラッキー」ぐらいでしょうか。


 雑談の時に、人の話をまともに聞いてる人、あんまりいません。ふん、ふん、と言って、「がっはっは」って笑って、後になって、「あれ? そんなこと言ってた?」

となります。


 どうやら、その場が楽しければそれでいいみたいです。


「え? なになに?」って聞き返されて、「えーと、それってこういうこと?」みたいなやりとりになっても、心折れる必要はありません。

 というのは、そうしてくれるというのは、彼らがあなたに興味を持っているから。あなたが話している話に興味を持っているから。


 それ以外はわかっててもわかってなくても、意味が食い違っててもそうでなくても、するーっと会話は続いていくし、興味がなければ、サクッと無視してくれたりもします。


 でもそれは、あなたが日本人だからではない。

 誰にでもそうなのです。

 意味が通じていてもいなくても。

 興味があること以外には食いついてこない。


 そういう人たちなのです。ディスってるわけじゃなくて、そういうものなのです。


 アメリカ人同士でも、「これ、その間言ってたけどな」みたいなこと、しょっちゅうやってます。「ケーキ、好きじゃないんだよね」って言ってんのに、「ケーキ買ってきたよ」という人もたくさんいるし。で、持ってこられた方も、気をつかって食べなくていい。

 

 ポットラック(食事を持ち寄ること)で、「ホットドッグ持って行くね」って言ってんのに、「じゃああたしは、ソーセージ持ってく」とか言う人もふつうにいます。


 そこで、「かぶってんだろ!」と思う人は私だけみたいです。


 基本、やりたいことをやる。ほとんどの場合、そこに悪意はない。


 それが、私の感じたアメリカ人です。

 

 だってかれらは、「おはよう」しか言えなくても、「おれって、日本語出来るんだよ」とかフツーにドヤ顔してきます。

 なんでも過大評価したがります。だからといって、「おまえ二か国語しゃべるの、すげーな」ともなりません。基本、自分のことにしか興味がない。


 なので、とにかく話してみてください。話してみて通じなくても、心折れないでください。あっちは何も気にしてませんから。


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