第37話 決着

姿が見えなかった立花さんはなんと、援軍を連れて来てくれた。

ざっと見て20人ぐらい。

ギルドに通っていたらいつの間にか話す仲になった人達だ。


「よお、待たせたな!」


「なんか、手こずってるみたいじゃないか!」


「水臭いじゃないか。助けがいるなら呼んでくれよ!仲間だろ!!」


それを見ていた俺は・・・。


「おいおい、お前泣いてんのか?男が情けないぞ!」


「ごめん、俺、うれしくって。こんなに仲間がいたんだってことに」


それを聞いて皆優しく微笑んでくれた。


「まぁ、お前たちはここで回復しとけ」


「その間俺たちで抑えとく!」


立花さんはそれを聞きうなずき、俺と堀内を回復させ始めた。


「さてと俺たちはあいつの相手をするか!」


「だな、ベテランの力見せてやらんとな!」


おぉ、なんか頼もしいな。


『雑魚がわらわらと!雑魚が群れたところで、意味ないんだよ!』


そういった影は、魔法を1発放つ。

しかし、そのうちの1人が盾で防いだ。

反動で飛ばされることはなかった。


「どうだ、俺(金)の力は!!」


「おぉ、さすがだなお前」


「ガチャ連しまくって闇に落ちた盾は違うな」


「うるせぇ!」


そいやこの人、やたらゲームのこと聞いてきたことあったけど、そうか・・・ゲーム脳の人か。

そしたらすぐそのあと、両手剣と両手斧を持った人が、影の目の前に行き、2人で斬りかかった。


『ぐっ!』


見事にダメージを与えた。

影って斬っても、血ってでないんだな。

そしたら、次は影に向かって、魔法や矢が飛んでいく。

それらすべて見事に影のダメージとなっていた。

『がぁ・・・・こんな奴らに!』

影は目の前に手を掲げた。

そしたら次の瞬間、遠距離攻撃をしていた人たちが、地面に倒れた。

なにやら、拘束魔法を放ったようだ。

しかし、影の後方より、でかいハンマーを持った人が現れ、ハンマーを後頭部に思い切りたたきつけた。

影は、地面にめり込み、動けなくなった。

それを見て、その人は、ハンマーを連続でたたきつけた。

しかし、途中でハンマーは受け止められ、腹に魔法を撃ちこまれ、その人は吹き飛ばされた。


『くそ・・・やってくれる!』


しかし、仲間たちは猶予を与えるつもりはないらしい。

次から次に斬撃を当てに行く。

そんな中、俺と堀内はほぼ回復していた。

俺たちも行くか!と行こうとした瞬間、影は自分の周囲を吹き飛ばす魔法を放ったのか、みんな吹き飛ばされた。

そして。


『うぜえうぜえうぜえぞ!よしまずお前らからだ!』


そう言い、影がこっちに手を向け手の平に魔力が集まっていくのが分かる。


「俺が受け切ってやる!」


そういい、堀内は盾を構える。

そして、その瞬間、影の手のひらから闇のビームが出てきた。

それを堀内は防ぐ・・・が。


「ぐぐぐぐ・・・・きちぃ」


そういうと、どんどん堀内は押されていく。


「みんな、頑張りどころだよ!」


そういうと、立花さんは、両手を上に掲げた。

するとみんなの体が光に包まれた。

なんかだんだん力が湧いてくる。

身体強化系の魔法みたいだ。


「これなら・・・!」


と堀内は持ちこたえるがそれでもきつそうだ。


『これで行けると思ったんだがな・・・出力上げてやる!』


そういうとビームの威力が増したのか堀内は、防ぎきれなくなり体勢を崩しそうになり、


「しまった・・!」


もう駄目だと思った瞬間


「いや、お前よく持ちこたえたぞ!」


そういい、金の力で買ったという盾が続きの攻撃を防いだ。


「俺に防げないものはない!!」


そんなことを言って防いでいると、盾にひびが入り始めた。


「ぐぐぐ・・・まだまだ!」


『ぐっ・・・』


だんだんとビームが弱くなり、ビームはついに途絶えた。

それと同時に、盾も割れて壊れてしまった。


「防ぎ切ったぜ!よし!お前らいまだ!」


そういうと、冒険者たちが一斉に攻撃し始めた。

俺もダッシュで影に向かっていく。

まず遠距離攻撃が影を襲い、

次は斬撃などが襲い掛かる。


『ぐっ・・この!』


その斬撃が終わったら影の目の前には俺がいた。

「うぉ~!」

パンチを連続で、顔面や腹部に打ち込む。


『ぐぶっ!』


影は明らかに弱っていた。

そして、影の手はいつの間にか俺に向けられていた。


『お前・・・もういい。情けは書けねえ!現世に帰って、今まで通り1人でビクつきながら生きていけ!』


そう言い、俺に魔法が撃ち込まれる。

軽く吹き飛んだがすぐ起き上がる。

激痛ですこしずつ、意識が遠のいている感じがする。

しかし、今はそんなことにかまってる場合じゃない。

そして俺は影に言う。


「確かに俺は今まで1人だった。でもここに来て気付いた。世界にはこんなに優しい人たちがあふれている。その人たちのおかげで、俺はまたこれから友達を作っていけるんだ!」


そういい、影の胸に全力でパンチをぶち込もうとした。

しかし影も最後の力を振り絞ってか、俺の拳めがけて殴って来た。

2つの拳がぶつかり合う。


「うおおおおおお!!」


『おおおおおおお!!』


2つの拳の激しいぶつかり合い。

負けられない!

俺は今まで以上に気合を入れる。

すると、拳から光のビームが出てきて影を襲う。


『があああああ。なんだこれは、俺の夢が・・・俺の・・・夢?』


すると影から黒いモヤが出てきてそれが拳から出た光に包まれて消えた。

そして影は吹き飛び倒れ動かなくなくなり、その存在は薄れていきやがて消えてしまった。


「勝った・・・・!」


静寂に包まれた。

そして。


「「「「うぉおおおおおおお!」」」」


皆が雄たけびを上げている。


「やったな!天之原!」


「うん!」


「よかった。堀内君!」


そう言い、立花さんは、俺の顔に抱き着いてくる。

それは妖精サイズでも柔らかく、

ぶしゃー

俺は鼻血を出して倒れてしまった。

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