第11話

中3の時、沖縄から大阪の中学に転校になった。

大阪の家のボクの部屋に初めて入った瞬間、ちっちゃなお人形さんの存在を何体か感じた。

でも、部屋には、どこにもお人形さんなど置かれてなかった。

もしかして、この部屋の前の住人の持っていた、愛していたお人形さんなのかなって思った。


夜、寝てたら、夢の中の部屋に、お人形さんいっぱい出てきた。

夢の中のボクは、お人形さんの1つに向かって

「こっち向け~。こっち向け~」

って念じていた。


そしたら、お人形さんは、ススッと体をボクのほうに向けるように動かした。

そして、タンスの上から、ポンッて、ボクのところに飛んで来た。

ボクはお人形さんを優しく受けとめていた。


夢から覚めて、実際にも出来るかな~って思って、プーさんのぬいぐるみに向かって

「こっち向け~。こっち向け~」

って念じてみた。


そしたら、プーさん、ボクのほうに体を動かして、ボクのほうを見て、ボクに向かって飛んで来るかな~って思ったけど、たぶん、ピクリとも動いてなかった。

まだまだ練習あるのみ、なのだろうか?

2022/11/17


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