第22話
学校帰りに、高梨さんもボクの部屋にいっしょに来てくれた。
「うわっ、やっぱり何か霊のようなものを感じるわ...」
「そやろ。でも、あらわれるのは、夜、寝静まってからやねんな」
「そうなんや...でも今でも、入ってすぐ何かを感じるもんな」
「勉強してても見られてる気するし、えっちな絵...あっ、いや、絵を描いてても見られてる気するし」
「芸術家なんかな?その子」
「どうも、そんな気してる。女流芸術家みたいな」
「女流作家とか女流画家とかなんやろか?」
「そうみたいやな~。今も、この会話、聞いてるんかな?」
「たぶん聞いてるんちゃう?いてはるような感じするもん」
「どうする?だいたいいつも、あらわれるのは寝てる時で、時間見ると11:11やねん」
「11時くらいに寝てみようか」
「よっしゃ、ほな、いっしょに11時に寝てみよ!」
「別々のふとんやで」
「あっ、そうなん、やっぱり。そりゃそうやな」
高梨さんと夜になって、11時になったら寝てみることにした。
11時になったから、2人で、ふとんをかぶって静かに寝ていた。
いつもみたいに、なんとなくあらわれたような感じしてきた。
時間をふと見てみたら、11:11だった。
「来たよ~」
って高梨さんに言ってみた。
「ほんまや、うちの体を優しく抱きしめてくれてはる...」
「そやろ。ボクもやで」
「芸術論を説いてはる...意識を高く持ちなさいって」
「さすが、そこまで感じるなんて」
2022/11/29
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