第13話
ボクはロンドンで生まれた。
テムズ川沿いの2F。
外階段をトントントンって登ったら玄関。
玄関を入って、右側の窓の下に、背の低いタンスあって、そのタンスの上にベビーベッド置かれてある。
ボクは、いつも、そこで寝ている。
テムズ川沿いをよくベビーカーに乗って散歩していると、ロンドンのお姉さんだとか、ちっちゃい女の子とすれ違う。
みんなボクといっしょに笑ってる。
ロンドン動物園にも行った。
象さんのぬいぐるみをいつも抱きしめている。
大英博物館にママと行こうとして、大通りを渡ろうとしていた。
そしたら、ママの横にも、赤ちゃんを抱っこしたロンドンのママさんもいて
「ロンドンの車は走るの速くてビュンビュン飛ばすから渡るの大変ですよね」
ってボクのママに話しかけてきた。
ボクのママは大阪の人だから
「大阪の車も激しいですけど、大阪の人はみんな素早く渡ってますわよ!ロンドンも大阪もピーターラビットのいるような田園ではないですからね~」
って答えていた。
それからロンドンのママと、ボクのママは、隙を見て、いっしょに大通りを渡っていた。
「どうもありがとう~。サンキューベリーマッチ」
ってボクのママにお礼を言っていた。
ボクのママも
「サンキューベリーマッチ。おおきに、ありがとう」
って言ってから
「大阪の『おおきに』って言うのは『おおいに』から来ていて、『ベリーマッチ』の意味ですよ...たぶん」
ってロンドンのママに説明していた。
ボクはママに
「『おおきに』って『おおいに』の意味なん?」
って聞いたら
「そういうふうに、どっかに書いてあるの、前、見たことあるような気するで...たぶん」
「ほんまかな?」
ってボクは思ったけど、ほんまなんやろな~。よう知らんけど
2022/11/20
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