第6話

 真鶴が故郷の金田一国臣が亡くなった。金田一は大変裕福で、黒木涼との結婚も噂されていた。検死をおこなった毛塚香美は睡眠薬の過剰摂取と判断したが、噂好きな瀬良は早速あれこれと聞き出した上、金田一は自殺だと主張する。外出した香美は、行き会った横井から、相談したいことがあると言われた。


 夕方、『マル』を訪ねた香美は横井から悩みを打ち明けられた。結婚を考えていた金田一から、「一年前に秘書を毒殺した」ことを告白され、しかも、金田一はそのことで何者かから恐喝を受け続けていたという。   

 その夜、横井は部屋で刺殺され、脅迫状は消えた。

 香美は横井から見せてもらった金田一と秘書の桜塚志保の写真を思い出していた。

 金田一は浅見光彦を演じていた榎木孝明、志保は小沢真珠に似てると思った。


 犠牲者 上杉・金田一議員・橋本・横井・桜塚志保

 


『マル』からは老人ホームの施設長、小門屋が行方不明となっており、警察は彼を有力な容疑者とする。

 小野寺は、探偵を引退して『マル』で働いていた杉谷誠一に助けを求めた。

「こんなところで会うとは思いませんでした。杉谷さんって勝新太郎に似てますね?」

「そういう君は京本政樹に似てますね?」

 小野寺は必殺仕事人のチャララ〜を口ずさんだ。

 杉谷は依頼を引き受け、「わたし」香美を助手役に捜査を開始した。 

「どうして僕じゃないんですか?」

「男に興味はありません」

 小門屋の他に、事件当日、村で目撃された不審な男がいることが分かり、容疑者となる。

 

 香美の家に来た杉谷に、この事件についての書きかけの手記を読ませたところ、杉谷はその手記に感心する。斎藤ヒロは学生時代に友人を恐喝した前科のある男だったが、殺人については否定する。事件当日に目撃された不審な男は、家政婦のアベの息子、聡太だった。その息子が屋敷を訪れた時間は、横井の死亡推定時刻とは食い違っている。後からやって来た小野寺は、事件当日、涼の部屋から現金を盗み、それを隠すためにうそをついていたと告白する。そのため、横井の死亡推定時刻が当初思われていたよりも早まる。

「警察が盗みを働くなど前代未聞です。やはり、あなたは助手にはふさわしくありません」


 杉谷は『マル』の食堂に一堂に集める。但し逃走を図った明保野と小門屋、入院してるアベは不在だ。

 

 1階  

 🐳 窪塚、長谷川 塾セールスマン

 🦈 小門屋 老人ホーム施設長 △

 🐚 瀬良 食品工場長

 🐡 橋本 弁護士 ✕

 

 2階

 🐧 横井 派遣会社コーディネーター ✕

 🦆 斎藤、黒木 自動車工場

 🐦 明保野 殺し屋 △

 🦚 聡太 アベの息子


 ✕は死亡 △は逃走

 

 杉谷は香美が小門屋を病院に匿っていたことを皆に告げ、小門屋は明保野から命を狙われていたと指摘する。また、小門屋は下の階の斎藤と涼と騒音でトラブルになっていた。

 小門屋は深夜にも関わらず歌を歌ったり、足音がうるさかった。

 さらに、カモの部屋に斎藤たちがドライブ中に何者かがネズミの死骸を置いたという事件があったので小門屋は疑われていた。

 疑われることを恐れた小門屋は、香美の勧めで身を隠していたのだ。

 窪塚、冴子、瀬良、斎藤、涼、聡太、香美の順に杉谷は見回し、「犯人はこの中にいる」と断言した。

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