モテる女子は受験ん時からマークされている。

啓介に誘われて同じ高校を受験することになった。

別に就職するならどこに通っても変わんないと思ったから。


知ってる人が居た方が落ち着くってもんで。


「緊張するわ~!」


「それより、落ちないようにギリギリまで勉強しなくて大丈夫か?」


「大丈夫だって!朝陽に散々付き合ってもらったんだ!俺だってやるときゃやる!」


「心配なんだけど……」


受験に来ていた俺と啓介。

受付で受験会場に案内された。


「ここにいる何人かは同級生か~」


「落ちなければな」


「受験前に落ちるとか物騒なこと言うのは野暮だぜ?」


「じゃあ受かるんだな」


「たりめぇよ!」


そしてやってきた受験の時間。

5教科を満遍なく解いていく。


ある程度予想していた範囲。

これならど忘れ、確認漏れさえしなければ啓介でも合格だろうなと思う。


俺の後ろに啓介がいるのでどんな雰囲気なのかわからない。

が、シャーペンで書く音が聞こえてくるので順調そうに解いてそうだった。


「おわった~~!!」


「自信はどうだ?」


「凡ミスはないように確認したけど社会が自信ねぇわ」


「まぁ完全暗記問題ばっかだったからな。他の教科次第だけども社会だけなら大丈夫だろ」


「そうだな!よし、飯食って帰ろうぜ!」


荷物を纏めて教室、及び校舎から出ていく。

靴を履き、校門から出ようとしたとき背後から声が聞こえてくる。


「なんだ?」


背後を振り向く。

そうすると、見たことないほど美人な他校の制服を着ている女子をみんながガン見していた。


「やっば。くっそ美人じゃん」


「まぁ確かにかわいいな」


「朝陽は相変わらず興味なさげだな~」


「あの立ち振る舞い的に受験は余裕だったんだろうよ。合格しとけば毎日見れるようになるからな」


「すかしてんねぇ~。でも、あういう子ほど朝陽をすきになったりするんよな」


「どうでもいいわ、はよ帰ってバーガー食おうぜ」


「それもそうだな!俺LLセット!」


「勉強教えて恩返してもらうからな」


「げっ!そんなに金……ギリギリあるっ!」


「じゃあごちになるわ」


「しゃーねーな!おごってやんよ!」


これが俺が初めて穂乃果を見つけた日。

記憶には残ってる。

俺の記憶上、穂乃果より美人な女子はいなかったから。






◇◆◇◆◇◆◇





無事俺と啓介が受験校に合格をもらった。

そして通学を初めて初めての球技大会。


バレーの競技中。

相手チームは同学年の組だった。

バレー部が主体になって強いっぽい。


だが、戦ってみればそんなに上手いというわけではなかった。

ただ威力のあるスパイクだな~くらい。


啓介はこっちのほうが強いと判断し、煽るようになった。

相手のミスも増えてるから明らかに効いていた。


結果的に圧勝してしまい、クラスメイトに優勝できると期待させるはめになった。


「ねぇ日向くん!このあと時間ある……?」


「ん?あるけど、どうして?」


「あ、あの!放課後でいいんだけど、空き教室に……」


「おう、空き教室な?」


「ま、待ってるから!」


遠目から啓介のニヤケ顔が見える。

やっぱりそういう誘いだよな……。


女子生徒が離れていくと、啓介が寄ってくる。


「まーた、女の子を傷つける」


「興味ないんだからしょうがねぇだろ?」


「しっかしまぁ、モテるよな~」


「嬉しかねぇよ」


「見てみろよ、あそこの女子のグループ。氷野さんがこっちみてっぞ?」


「氷野?」


「あ、知らねぇの?受験時にいた超美人だった女子だよ」


「ああ~。見かけないと思ったら隣のクラスだったんだ」


「お前、実は男に興味……いだだだだ!」


「変な噂が流れるから余計なことはいわないようにね~~」


「ギブっ!ギブア~~~~ップ!!」


合格しているだろうと確信はしていたが、まさか隣のクラスだったとは。

人の顔を覚えるのが苦手とはいえ、さすがに女子に興味なさすぎるな~と自覚した日だった。




そして次の日のバスケ。

最初っから氷野と呼ばれる女子が他クラスの俺らの応援側にいる。

まぁそんなこといったら氷野以外の女子も応援にきてたりもするが……。


一人だけ明らかに雰囲気が違う。


お陰というべきか、うちのクラスのモチベーションも高まってるから良しとしよう。




◇◆◇◆◇◆◇





2年に上がった。

ある程度同学年の顔を覚えてきたころ。


氷野穂乃果と同じクラスになった。


廊下側の一番前の席。


自分でいっちゃなんだが、結構有名な俺。

すれ違う人みんなに挨拶するbotのような存在になった。


というわけで、氷野も目の前を通った時に挨拶した。


「おはようさん」


「……っ!お、おはよう」


「びっくりさせたか~?」


「う、うん。急だったから……」


「ん?」


「み、みんなに挨拶してるの?」


「おう。おはようさんbotだからな」


「bot?」


「おはようさんだけを言うロボットのようなものだ」


「そ、そうなんだ……」


扉の前で話ていると氷野の後ろから別の生徒が登校してきた。

前のクラスにもいた女子だ。


「おうよ。あ、おはようさん」


「うん、おはよう!氷野さんもおはよう!」


「お、おはよう……」


「本当に挨拶ロボットのようね……」


「だろ?こんなことしてるとクラス全員と険悪な雰囲気を作らなくて済むからな~」


「なるほど……」


「っと、そろそろ時間だから座った方がいいんじゃないか?席探す時間もあるだろ?」


「う、うん!そうだね、じゃあまたね!」


「またねって。まだ今日は始まったばっかりだし、同じクラスメイトだろ?」


「そ、それもそうだよね……!これからよろしくね!」


「おう、よろしくな。……あ、おはようさん」


「おう!今年はよろしくな、日向!……っと氷野さん?!お、おはようございます!」


「おはようございます」


これが初めての氷野とのコンタクト。

今後、あんな関係になるとは思わなかった。






~~~~~~~~~~~~~~






久々の更新!

そして、同窓会シリーズの新作書いたからよかったら一読してみてください!


朝陽視点は長くなりそうだから分割します!

会話多めで説明少な目で。

今さら説明なくても他描写で書いてるとおもうし……。

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同窓会で久々に会った美少女に交際と同棲を提案されたんだが? ペンネーム @noa3189

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