同窓会で久々に会った美少女に交際と同棲を提案されたんだが?

ペンネーム

第一章〜同窓会と提案〜

同窓会、出会いの始まり

同窓会。

中学、或いは高校の元クラスメイトが集まって成人後に集まるイベント。

仲が良かったが疎遠になった友達、好きだったあの子との遭遇。

お酒に飲まれ、いらないことを口走ったりしてしまうことも余興の一つ。


俺、日向ひなた朝陽あさひは参加する予定のなかった同窓会に来ていた。

中学からの親友であり、今でも付き合いのある高橋たかはし啓介けいすけに半強制的に捻じ込まれた。


高校2年時のクラスメイトの過半数が参加していることもあって、かなり騒がしい。

端っこでチマチマお酒を飲みながら、明日の仕事のことを考えていた。


「明日、6時には家を出ねぇと間に合わねぇよなぁ……」


スマホに表示される時刻は23時を示しており、仕事終わりということもあってかなり眠い。

酔ったやつがたまに絡みに来るので気を休めることもできず、早く終わってくれることを祈るばかり。


幹事である啓介はまだまだ飲む気があるのか、集まっているグループで二次会の話が出てきている。


「朝陽も二次会いくかー?!」


酔いも相まってそれ程離れてないにも関わらず、大声で問うてくる。

片手を振りながら俺も雑な返事をした。


「明日早いから帰るわ」


「んだよ!明日日曜だぞぉ!!」


「忙しいんだよ」


「ちぇ、しゃーねーな!今度休みの時に飲みなおそうぜぇ!」


「はいはい、わかったから静かにしてくれ……」


時間的にも終わりが見えてきた同窓会。

やっと帰れると安堵していると、背後から近寄ってきた人が一人俺の隣に座った。


「ちょっとだけお話しない?」


「ん?ああ、氷野か」


「うん、氷野穂乃香本人ですよ?」


氷野ひの穂乃果ほのか、高校の時の美少女。

週3回くらいのペースで告白をされては、好きな人が居ると断っていたらしいが結局誰とも付き合うことなく卒業していった。

今は美容系の大学に通いながら理容師を目指しているとのこと。(啓介情報)


「このあとちょっとだけ時間作れない?」


「二次会いかないのか?」


「断ってきちゃった」


氷野が参加しないとなると結構な数が行かなそうだな。

同窓会に参加する男連中は氷野狙いのやつも多いだろうに。


「俺、明日早いからそんなに時間作れないぞ?」


「手短に済ませるからダメ?」


「まぁいいけど……」


「じゃあこれが私の連絡先ね?あとで連絡して?」


折りたたまれた紙にLIMEのIDが記載されていた。

それをポケットに仕舞い、残っている酒を飲み干す。


既に参加費は啓介に払っているので、一言だけ啓介に声を掛ける。


「啓介、先に帰るわ〜」


「おう!キャバ行くけどいくかー?!」


「仕事あるっつってんだろ……。程々にしとけよ……」


「おう!また今度な!」


あいつ、明日後悔するわって思いながら、店を出る。

少し先にあるコンビニへ寄って水とおにぎりを購入。


「えっと、出口を右に曲がった最寄りのコンビニで待ってるっと」


ささっとIDで氷野を追加し、待ってる場所を連絡。

すると、数秒で既読が付き、了解のスタンプが送られてきた。


先日、雨が降ったことも影響しているのか。九月半ばの夜はジメジメしている。

水と昆布のおにぎりで口直しをしていると5分ほどで氷野がやってきた。


「おまたせ」


「まってない」


「そう?じゃあみんなにバレる前に移動しちゃおう?」


「わかった。電車か?」


「終電ないよ?大丈夫、私飲んでないから車で」


「わりぃな」


「ううん、誘っちゃったの私だし。とりあえず、パーキングまで歩こ?」


それからは同窓会での話をしながら、ちょっと遠いパーキングまで歩いて行った。



◇◆◇◆◇◆



「ここでいい?」


「は?」


車で30分ほど運転してもらった結果、氷野の住んでいるであろうアパートへやって来た。

あろう事か、明日の現場が徒歩10分の距離である。


「お店もうやってないからいい?」


「確信犯だろ……」


「てへっ!じゃあどうぞ中へ」


「はぁ…。お邪魔します」


アパートの部屋は一人暮らしにしては広い。

モノクロの家具で統一感がある。

シンプルイズベストな部屋。


「なんか飲む?」


「いや、いらん」


「そう?じゃあちょっとおつまみだけ作るから休んでて」


初めての女子の部屋だというのにまったく緊張しない。

包丁とまな板の当たる耳心地の良いリズムをBGMに、ネット小説を消化していく。

無言の空間だが、不思議と居心地はいい。


「適当におつまみキャベツとベーコン焼いただけのやつ」


「サンキュー。で、話って?」


「単刀直入だなぁ……。えっとね?」


視線を下げ、少し間が空く。

この時間はかなり気まずい。

決意を決めたのか、顔を上げた氷野の顔はちょっとだけ赤かった。


「私と付き合ってほしいの。冗談じゃなく、本気の男女の付き合い」


「は?」


今日、何度疑問に感じればいいのだろうか。

氷野はマジであろうことが表情でわかる。

視線を下げれば氷野の手が震えていた。







~~~~~~~~






日向ひなた朝陽あさひ、齢20、6月27日生まれ。

黒髪でツーブロック。

身長はギリ180ない、179cm。

体重は62キロ。


イケメンよりの普通。

啓介と高校の頃は部活の助っ人として活躍しており、密かにモテていた。


高橋たかはし啓介けいすけ、20歳、4月11日生まれ。

黒髪。

173cm、63キロ。


作中にたまに出てくる朝陽の親友枠。

運動神経がよく、朝陽とよくバスケをしている。

悩みは何故かモテないこと。

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