当事者xエスケープス

けんぴ

当事者xエスケープス

ピンポーン

この音で今日は想像絶する体験をすることになる


土曜日8時に起床

四畳一間

物が多く溢れていると落ち着けない性分だったので18になってすぐものの少ない家に移動したかった。実家にものを置いて一人暮らしをして二年、今はお酒を飲める20歳になりました。

「なんだぁこんな朝早くから」

「おはようございます。昨日の警察です。」

は?警察?

ん?昨日の?

ピコンピコンピコン

LAINの通知音が鳴っている

あれ?あれ?あれ?

昨日の記憶がない

いや正確に言えば昨日の夜からだ。

なんというかだるい気分だ。あああああー!頭逝った。痛い

昨日酒を飲みまくろうって話になって飲んでしまったんだ。

これが二日酔い、うう、おヴェ

何をやったのかも分からず捕まるわけにはいかない

逃げよ

ここのマンションにはベランダがなく代わりに裏に非常階段がある。

そのことを警察は知らなかったのだろう裏には警察が張り付いていなかった。

裏から出ると管理人のおばちゃんにあった。

「おはようございます」

「あら、おはよう。昨日はありがとうね。助かったわ〜」

「あはは、そう言ってもらえて嬉しいです。ではっ」

もちろん知らない、

昨日何があったんだ?

なんて今は聞けない、警察がうろついているかもしれない

俺は小走りで昨日飲んだであろう彼女の家に向かった。

      2

彼女の家は300m離れた先にある。

公園の少し奥にある。

昨日は雨が降っていたようで足場が濡れていた。

ピンポーン

「ん?おはよう朝早くどしたん?」

「全然早くない。それよりさあ昨日の夜の記憶ある?」

「うーんあるといえばある?でもねむいからねるね、じゃ」

バタン

「おーい俺の家に警察来てたんだがあるなら今すぐ言わないと対策立てられずに捕まるぞ〜」

「いや〜ごめん思い出したわ私昨日ここにずーっといたから関係ないわ」

バタン

「ごめんこのドアぶち破ってもいい?」

「そんな物騒なこと言ってるから警察のお世話になってんだよ」

「一度もなってないからな」

「ていうか警察来てんの?ていうかもうすぐ家来そうじゃん。あ、

ちょっと思い出したかも」

「金貸したじゃ〜ん二万円は、なしな」

「えへへバレてた。じゃあ一万円」

「ないです。ていうか俺の財布から逆に奪ってたろ。そこだけは覚えてる。」

「え、嘘、覚えてない。」

「そらそうよ、今作った話だもん」

ドン

「痛って〜!何すんだよ俺もぶって返していい?」

「うーうんだめです。暴力は私の特権なのです。」

「オメーもっかい寝てくれ、だめだ寝てなさすぎてオメーはイカれちまってる。」

「寝ないのです。はよ逃げよう?」

「うわ〜上目遣い使うの卑怯だな〜どうやって逃げる?」

「んーとね貴方が私を守る盾になるのです。そして飛行機で私が北海道に飛ぶのです。」

「その前にお前の意識を飛ばすか?ん?」

洗面台に彼女は行き吐き出した。多分昨日のだ

「おえ〜」

「スッキリしたか?」

「さっきまでの非行を詫びよう。」キリっ

「おお急に戻った。さっきの口調いつもと違くてなんかギャップ萌えしたわ、たまーにやってくれよ〜」

「さっきのは忘れろ。」

「かわよ」

「しね〜消えろ〜」

「口が悪いね〜うちのワンちゃんは」

「もういい無駄口叩いてないではよ逃げるぞ。」

          3

「あ、まだパジャマだった。」

「もうその格好でよくね?もう来てるよ。」

「まぁまぁ、ファッションショーやろう。今日のいい感じの服選んでくれよな。」

その後の記憶はあまりない、あまりに可愛すぎて気絶したのだ。

だが彼女がファッションを説明してくれる

「まずは〜、女性らしくスカートでいく?

う〜んスカートじゃあ走りにくいよな〜

じゃあこれ!今の季節にぴったり合う、透け感ある服!

それとも太ももの見えるニーハイですか?」

「やめてください、ニーハイだけはやめてください、お願いします。逃げるときどこ見ればいいかわからなくなるから。」

俺の性癖は中二から進んでいない。ニーハイと聞いて目が覚めるほどの衝撃だった。

「それ、私が前行かなきゃいい話。」

「それな。

でも暑いよね。ニーハイじゃなくてもいいよね。」

今は7月

「それな。」

ピンポーン

背後に近づく黒い影に俺たちは気づかなかった。

やべ、終わった。

         4

にーちゃんが来た

どうやら兄貴も飲んでいたらしい。

「兄貴、昨日の記憶ある?」

「ないない、ただただ楽しかった記憶しかねぇ、今はレポートに追われる身よぅ。」

兄貴は俺の一個上で違う大学に通っている。

俺よりスーパーエリートマンで優秀なのだが、同じ家系で酒が強いがためにベロベロになるまで飲む癖があった。

こいつも記憶ねえのかよ、この物語進展がねぇ!

「一つ考えがある。」

あ、進みそう。

         5

「なになに教えて。」

兄貴はシャキッとスーツに着替えてメガネをクイっとあげて告げた。

「俺たちと警察が仲良く居酒屋で飲んで、仲良くなった。そして今日、昨日仲良くなった警察です。ときた。」

「はははそれはないよ兄貴。」

「じゃあ何かあんのか?それ以外の理由がよぉ、考えつくのはそれぐらいだよ。」

「いや、あんたらバカかよ、誰か殴って傷害罪で追われてる線が先に思いつくだろ。」

「「あはは、それだけは絶対にないと思いたいなぁ、ハハハハハ」」

「「うんそれそれだけは絶対にない」」

冷や汗が出た。考えた先に出た答えは

「「「逃げようか」」」

       6

考えなしに三人は飛び出した。

考えた先には考えがない。

1人はパジャマ

1人はスーツ

1人は肌の透けた格好をしている

この三人は側からみれば変な奴らが競い合ってどこかを目指して走っている。奇妙こそあれ通り過ぎれば忘れられる、通報されない変に良いバランスを取っていた。

本人達は本気だった。

「やばいやばいどうしよう、殴ってないよね?俺たち!

俺たち殴ってないよね!?」

「バカヤロウ!!こぶしみろ!こぶしを!血がない、出血してない、殴ってない!」

「韻を踏むな、韻を。」

「小声でツッコむなぁ!」

「韻を踏むな!韻を!」

「やかましいんじゃァ!お前の彼女どうにかしろよ!」

「無理です。可愛いんで怒れません。それより車出して逃げましょう。免許持ってないので兄貴の家行きますよ。」

「…今年の冬は免許取りに行こうかなって言ってたやつ誰だよ。」

「…」

めんどいから来年取る、来年取るってと取らないできた。

だけど悪いとは思ってません。

「あはははははは鍵ゲット!」

兄貴ごめん俺の彼女、車の鍵取っちゃった。

「あはははははは!」

神様、俺の彼女は最高です。神様ありがとう。

「しねえええええええええっっっっっっ!」

       7

「ああああ疲れた。」

「兄貴、本番は今からですよ。」

「そうだぞ!兄貴!しゅっぱ〜つ!」

「はああぁ運転したくねえ!」

       8

「どこ行きますかね。」

「北海道!」

「北海道行くくらいなら岐阜とか長野行こう」

「逆に沖縄は?」

この日はどこも暑い日だった。

避暑地として兄貴は岐阜と長野を選び

逆にと告げた沖縄は息ぴったりに合わさった二人に即却下された。

「あのな両極端行けると思うか?

しかも追われてる身だ、性能のいいカメラで見つけてすぐ来るはず。」

「あ〜!よっす!」

車の窓越しに聞こえた。

今度は誰だよ!

       9

「昨日一緒に飲んだ消防士だよ!」

あんた誰?となった三人に

「本気で覚えてないの?」と聞くと

一瞬頭を整理し終えた三人が

「「「よっしゃー!きたー!覚えてる人来たー!勝った、悪いことしてない!来たー!」」」

消防士側の車内はひと言で言うとポカンであった。

「やったー!って前見て前!」

「おい、にーちゃん前見ろ!」

ドン、プシュー

前を走る車とぶつかり

ははは今度こそ終わった。

       10

「おいそこのじじい!ちゃんと前見て運転しろ!」

と消防士

「いやいやおかしいだろ前見てたよ、あんたらだろ見てなかったの!後ろで起こったかんな!?」

と中年男性A

「こっちはドライブレコーダーあんだからな!?

あとじじいって言われるほど年取ってないから。」

と中年男性B

「あのーすんません話進まないんで、後にしてもらっていいですか?」

「おうおうそうだぜあんた、それは後でいい。

あーそうそう昨日はねなんかこのメンバー以外に警察とおばあちゃんもいた気がするなぁ、ダメだこれ以上は思い出せねぇ連絡したかったんだがな、友達になれて良かったぜ、ここは任せとけ。」

「ありがとう!」

車は使えないため走って戻る

「意外と使えなかったな。」

「もっと有力かと思った。」

「なんか微妙。」

「まぁ一歩前進だよね。」

「うんそう思っておこう。」

「全員ほぼほぼ覚えてない…」

       11

「警察がおばあちゃんに聞き込みしちゃってるんだけど」

家にまで戻ってきたらこの有り様。

警察の聞き込みが始まっている。

あれ?おばあちゃんこっち見てない?

「やべーよおいやべーよ、こっち見てるよ、見るなみるな!」

「お前が目を合わせるな!」

叩くの強すぎ、

あっこっちきてる、今度こそ終わった…

       12

「あーやっと見つけたよ、あんた達、昨日は楽しかったなぁ!?」

いきなり肩組んできてんだけど、しかもその口調俺ら何かしたんじゃん、ああ聞きたくねぇ。

「昨日は本当にありがとうねぇ。」

「おばあちゃん?」

「ん?覚えてないのか?」

「あのぉ俺たち何したんですかね。」

       13

「私がねぇ、帰ってきて2階まで階段で上がった時に足滑らせて落ちたのよ、その時よ、あなた達三人と消防士1人と警察の1人が私をお姫様抱っこで私を救ってくれたの。惚れちゃった。かっこよかったわよ。その時と朝にも言ったのだけどありがとうねぇ。」

そういえば昨日は少し雨が降っていて足場が悪かったことを思い出す。

「それでよぉ、昨日たまたま通りかかって、たまたま同時に助けた俺たちはその後、俺は飲まなかったが店行って仲良くなったんだよ。覚えてないのか?」

ええええええええええそうだったの!?まじで俺たち警察と仲良くなったの?

しかもえ?助けた。表彰もんじゃあねえか。

「覚えてなさそうだな、もう一回言うがここの治安を民を守る身としては嬉しかったよありがとな。それだけだじゃあな俺は今日もこの街守りに行きますわ。」

ああ表彰はされないのね、フラッシュ焚かれて優越感に浸れるかと思ったのになぁ

「おうじゃあな。」

俺たちはすぐそこの家に帰った。

       14

「い〜や疲れたああ」

「何も悪いことしてなかったな」

「いや〜ほんとによかった」

皆どっと今日の疲れが吐き出された。

プルルルル

「なんかきてんぞ電話」

「おほんとだ」

俺は誰からきているか確認した。

「消防士の人だ」

俺は電話にでた。

「ごめんそっちに警察行くかも。」

「えw俺たちいいことしたじゃん、また来んの?」

周りを見るとスピーカーでながしているため周り2人に聞こえているらしい、表情の変化が見られた。

俺は思い出した。

ここにくる前に車をぶつけたことを

俺たちは思い出した。

非日常を楽しむことを覚えた体は、逃げることを思い出した。

三人で動くと楽しいことを体が覚えてしまった。

また2人の表情が変わった。俺の表情も変わった。

俺は感じた。皆物語の登場人物、皆物語の当事者xでありxが動く時yもzも動くのだ。

俺たちは思いが通じ合っていた。

三人ともニヤっと笑っていた。

さぁみんなで

「「「逃げよう!」」」















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当事者xエスケープス けんぴ @hifkho

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