猿と手

我が師でさえも

人に去られて独りきり


我が師でさえも

荒野に佇み独りきり


人は去る

人は去るとて

仕方無し


我が師でさえも

打ち捨てられて

孤独に震えたのならば


我が身の裡で

啜り泣く孤独も

仕方無し


それでも去らず残ったものが

今も僅かに

(されど)確かに

この手の中に


猿人よろしく浮き沈みする

愚かな私の

この手の中に

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