花の蜜(あるいは罪)

何故花は咲き誇り

芳しい薫りを放つのか


(間違えてはいけません)


それはわたしを誘う色香

子々孫々に想いを馳せる


(間違えてはなりません)


甘い薫りに誘われて

古い記憶が蘇ったなら


(名もなき花の蕾を思い出しなさい)


それは人知れずそこにいて

覚えられることもありません


(傷にもなれず認知もされず)


母の手が頭を撫ぜました


(しかしそれは愛ではありません)


甘い秘蜜に誘われたなら

苦い罪を覚悟しなければなりません

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