郊外の一室

ライリー

[読切]

 都会の喧騒が気にならないひっそりとした郊外の一室。陽が沈むといよいよ死んだように静かな辺りだが、この部屋は深夜になっても明かりが付いている。中で二人の男が話している。

「兄貴、ライターはどこにあるかね。」

「洗面所にあるだろう、いつも。」

「兄貴、タバコ切らしちまったよ。」

「昨日買ってくるといってたじゃないか。」

 一人がガサガサッと部屋を出ていった。もう一人は刑事ものを見て顔をしかめている。相変わらず外は静かだ。

 しばらくして、一人がガサガサッと部屋に入ってきた。今度は低い暗い声だ。

「兄貴、まだ寝ないのかい。」

「これ見終わったら寝るさ、お前こそ早く寝な。」

「いや兄貴、俺は今夜寝れませんや。」

「・・・わかった。」

 しばし沈黙の後、明かりが消えた。

 翌朝、一人の酔っ払いらしき男がリビングで死体で発見された。全身に十数箇所の刺し傷。向かいの住人によれば、素っ裸でとんでもなく恐ろしい顔の死体が窓に張り付いていたらしい。その人によれば、その部屋にはずっと1人しか住んでなかったってよ。

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郊外の一室 ライリー @RR_Spade2

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