第四章
プロローグ
フォレスト商会の商会長室で。
死靈之王を名乗り、人類の敵となった僕とフォレスト商会の長たるリヴィアが向かいあって座っていた。
「僕が人類の敵になったことももちろん知っているだろう?」
「はい……存じ上げています」
僕の言葉にリヴァアが頷く。
「わ、私は!それでもアーク様のッ!」
「リヴィア」
僕は静かに彼女の名前を呼ぶ。
「は、はいッ!!!」
「僕は人類の敵となった……だが、リヴィア。君には僕の仲間であってもらいたい」
「……ッ!」
「君だけは、僕の味方をしてくれると思っているんだ。どうか、僕の味方として、ついてきてくれないか?」
リヴィアは僕に依存している状態である。
彼女の精神状態であれば間違いなく僕の味方になってくれるはずなんだが……。
「はい!もち……」
僕の話を承諾する途中。
急にリヴィアは固まり、次の言葉が出てこなくなった。
「……なるほどねぇ。決められた通りにしか動けない……いや、元々決められた物語の大枠から外れる行為は出来ない、かな?確かにロキの言うとおりだったね」
完全に固まってしまったリヴィアを前にして僕は頷き、言葉を漏らす。
どうやら彼女が人類の敵になるのは元々決められた物語の大枠から外れる行為のようだ。
「そう。そっか。じゃあ、またね……もう二度と会うことはないだろうけど」
時空間魔法を発動し、僕はこの場から転移して立ち去った。
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