もう一度あの日に戻れるのなら

辻本 寧緒

第1話 引きずる気持ち

またあの人と元の関係に戻れるのなら…そんな事を考えて生活するようになったのはいつからだろう。


「茜〜!おはよぉー!」と肩を叩かれた。

「…なんだ真宇(まう)か…おはよ」と返すと、なんだよ?元気無いなぁと言われてしまった。

そっとしておいてほしいのに…構ってくる。

だが、それは救いかもしれない。

1人でいたらきっと、私は我慢出来ずに泣いていただろう。

なぜかと言うと、彼氏と別れたのを引きずって居るからだ。



また彼、真宇も同じで、別れた彼女の事を引きずっていた。その事を話すうちに、仲良くなったのだった。


私と真宇は、元恋人と別れたのは同じだが、別れた理由が違った。



私の場合は、彼に依存して「好きでいなくてはならない」という考えになり、精神的に辛くなったというのと、冷められていると分かり、これ以上彼とやって行けると思えなかったから自分から別れを切り出した、というもので。

真宇の場合は、詳しくは知らないが元カノの親が恋愛を禁止しており、内緒で付き合っていたところ、それがバレて別れさせられるとなったらしい。


私と真宇は、お互いに未練があるというよりは、執着しているというような気もする。




お互いに前に進めることを願って今日も2人は生活している。




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