第十四話 墓地までの道(1)
「どんな奴がいるのかな~♪」
俺は上機嫌で歌いながら墓地へと向かっていた。
現実ならば不謹慎な行為だが、仮想現実なので問題がない。まあ墓荒らしに行くのでもないからやましいことはないけれど。
それにしても幽霊かぁ。どんな感じの姿をしているんだろうか。
西洋のような金髪なのか。いや、それだと幽霊じゃなくてゴーストになってしまうな。まあ本質的には同じものではあるが。
やはり日本の幽霊の固定概念と言えば白無垢で「うらめしや~」とか言ってるのか。
そういえばネクロマンサーって死者関連のスキルだけど、何をすればいいんだろうか。何か特別なクエストに発展するとか?ああ、想像が広がるなあ。
そもそもどんな形であろうと俺は構わないのだが。でもそんな超絶綺麗なやつとかがごろごろいるとそれは少し解釈違いか?
でもやはり恐怖というものは美しさの裏にも存在すると思う。あまりにきれいな人が近づいてくると委縮してしまうのと似た現象だ。日本人形、西洋人形問わず、顔が整っていることが多い。それが怖い原因の一つでもあるんだとか。だからこそ凄艶という二字熟語もあるのだし。そもそも顔がはっきりと見えるのかも定かではないが。
とりあえずはそんなに興が覚めるようなビジュアルにしていないことを運営に期待しようかな。
そんなことをおもいながら全力疾走していると、目の前に看板が見えた。
『ここより先は幽霊等出現しますので、苦手な方はお戻りください。』
親切だな。やはり幽霊だとかホラー的なものは得意な人と苦手な人の差が顕著である。夜にトイレに行くのも不安な人もいれば、心霊スポットで目をキラキラさせている人もいる。まあ、苦手な人は苦手だからしょうがないと俺は思うが。別に趣味を押し付けたいとは思わないし、それなら一人で楽しむほうがいい。
そういっているうちに目の前に古そうな墓地と建物が一軒、見えてきた。
意外なことに建物の中には金髪の人のよさそうな男性がいた。
「おお、ここまで人が来るのは珍しいな。冒険者かい?」
「ああ、そうだ。墓の掃除と幽霊退治に来た。」
「そいつはありがてえ。ダラットからの紹介か。あいつまだ元気そうか?」
「元気だよ。ギルドの受付やってるしな。」
「受付!?そうか…ありがとな、教えてくれて。」
「そういえば名乗ってなかったな。俺はブレイブ。ここの墓守をやってる。よろしくな。」
「こちらこそ。俺は恐だ。職業はネクロマンサー。ところで聖水ってどこで帰るのか教えてくれないか?」
「なるほど、幽霊対策か。ここの近くの教会の隣の泉が聖水だぞ。とっていっていいが、採りすぎはやめておけ。いいことないぞ。」
「ありがとう。またよらせてもらうよ。」
「おう。じゃあ近いうちにまたな」
いい人だったな。聖水って教会の近くにあるのか。浄化された水ってことかな?まあテンプレって言ったらテンプレだが。
「お、あれか?」
ブレイブが示した方向に走ると、古ぼけた協会が見えてきた。
なんか走ってばっかりだな。もう少し別の移動手段とかないのかな。そんなことをおもいながら教会に足を踏み入れる。
「うおお…」
毎度のことながら、このゲームのグラフィックの綺麗さには驚かされる。
その教会は、決して派手という訳ではなかった。
歴史を感じさせる建物だったのだ。少し植物が侵食しているところもあるが、古ぼけた感じではない。。俺はよく世界遺産の写真とかを見たりするのだが、コピペされている教会や大聖堂は記憶にない。模倣をせず、かといって常識破りでもない。これを表現するのがどれだけ難しいことか。なんかもう制作陣の執念のようなものを感じる。
「泉っていうのはこれか?」
裏手に回ると泉があった。だが少し濁っているような気もする。
「これを汲めばいいのか。」
そう思って昨日使ったポーションの空き瓶を出し、汲もうとすると…
『この聖水は汚染されています。回収しますか?』
とメッセージが出てきた。
「いいえ。」
そう答えると今度は新しい画面が出てきた。
『ミニクエスト:泉の水が汚染された原因を調べ、解決しよう。』
なんかめんどくさいことになりそうだなあ。
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遅れて申し訳ありません。言い逃れはしません。睡魔に負けました。(矛盾)
内容が薄くなってしまったのもすみません。作者が自分の趣味を語ってしまった結果です。
今回は初めての続きがある話になりましたね。頑張って仕上げようと思います。
作者が伏線回収を忘れる前に、次の話を書き上げようと思います。
評価やフォロー、感想、誤字脱字のご指摘などがあると大変ありがたいです。
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