第二十話 一件落着?

 虹雨はあくまでも2人に来た依頼メールの検証結果として自サイトに動画を投稿した。


「A高校前の坂に出てくる白いモノ、綿を追いかけると死に繋がるから追いかけるな、という噂があります。とのメールをいただき、検証してまいりました。

 どうやらこの付近で4、5年前に事故がありましてね、未来のある弁護士を目指す女子大生が道路に飛び出して死亡したと。

 ですが最初それは事故だと言われておりましたが……実は防犯カメラの映像にボブカットの女子高校生とぶつかった拍子にバランスを崩して道路に飛び出してしまった。

 そこに車がドーン……轢いた車の運転手はすぐ処置をしましたが女子大生は『誰も責めないで』と言い残してすぐ息を引き取ったそうです。

 しかしぶつかったボブカットの女子高生はその場から逃げてしまいました。防犯カメラの映像残っていますが特定は難しいようです……。

 それにこの事故は被害女性が飛び込んだもの、と処理され翌日の新聞もとある小さい町のとある人身事故として片付けられボブカットの女子高生も特定されぬまま……被害女性の誰もせめてほしくないと言う意思により捜査も打ち切られました。

 が、被害女性の右手にとある小さいマスコット人形の片腕か片足が握られていたのですよ。ぶつかってバランスを崩した拍子にぶつかったボブカットの女性のカバンや何かについていたマスコットを掴んでしまった。

 そしてちぎれて右手にギュッと……。

 今回検証にてボブカットの女子高生と同じ容姿、服装の女性を歩かせたところ白い綿のようなものは出てきました。それは特に深い思念や怨念はなかったことから、その白い綿のようなものは、ボブカットの女子高校生のマスコットの腕が元の体に戻りたかった……ものと。

 もし当時被害女性とぶつかったボブカットの女子高生、被害者の意思を尊重し匿名でいいのでで一部パーツが欠けているマスコットを持っていたら私どものところにお送りください。

 今度A高校学祭の出し物でこの事故のことを風化してはいけないと検証して展示会を開くそうです。

 そこで私どもも呼ばれていますのでそこにて被害女性の慰霊とぬいぐるみ供養も致します。そうすればあの坂で白い綿のようなものはもう出ないはずです」

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