新型刑務所
@Eto_Shinkuro
第1話
なんだここは。新型の刑務所だった。建物は円状になっており、部屋が所狭しと並んでいる。一部屋の高さは、人がまっすぐ立てないくらいの高さだ。そこに、ベッドが置かれ、その上に受刑者が寝転んでいる。受刑者は立ち上がることができないストレスで、皆いらだっている。一人の受刑者と目があう。その目は、感情がないながらも、ただいらだちの表情がこびりついたような表情だった。暴れたり、うめき声をあげたりする者もいる。
そんな受刑者には唯一の現状を逃れる方法がある。首に、紐が括り付けられており、それは建物真ん中の天井とつながっている。受刑者の部屋は、5階部分以上だ。円状の建物の周りの部屋から、1階から天井まで突き抜けている中央部へ飛び下りればいいのだ。
僕は、受刑者の姿や表情を観察しながららせん状の階段をガラス張りの部屋を降り、1階に立った。受刑者は、見事に地面につかない高さまで落ちることができる。すでに何人もの、死体がぶら下がっている。ときどき、受刑者が飛び下りてくる。頭上注意だ。ストレスに耐えかねて、落ちてくる。
こんな刑務所は、見たことがなかった。
新型刑務所 @Eto_Shinkuro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。