かつて首都と呼ばれた場所
pipittapan
第一話 モーニング
ある朝、僕は寝坊をした。
いつもは6:30に起きなきゃいけないのに。
スマホの画面には7:20とで出ている。
「あちゃー、またやっちゃった。えーい今日はバイクで学校行かなきゃ。」
校則で禁止されてるバイク通学だが、学校の近くに住んでるクラスメイトの家に置かせてもらって難を凌いでいる。
「あんまりバイクで行きたくないんだよなー。充電ないし。」
僕のバイクはガソリンではなく、電気で走る。
父からもらった小さいオフロードバイクを改造して、モーターとバッテリーを積んだ。
もちろん、届けも出しているからナンバーだって交付されてるちゃんとしたバイクだ。
そんな中、刻一刻と時間は過ぎていく。
身支度を済ませ、僕は玄関を飛び出す。
ヘルメットを忘れたことに気づき、慌てて戻る。
ヘルメットとその中に入れてあるはずのバイクの鍵を掴んで、僕はまた飛び出す。
小さいけどちゃんとオフロードバイクなので、すこしシートの位置は高い。
お世辞にも高身長と言えない僕にはちょうどいい。
鍵を差しバイクを目覚めさせる。
「さぁ、行こう。ちょっと急がなきゃ。」
『あー起き抜けに急げって言われるのつらいなぁ』とでも相棒は言っているのだろうか。
モーターの回る独特な音。ムゥーンとかモゥーンみたいな音はエンジンでは出ない。
やっぱり充電は残り少なかった。残量を示すメーターは残り25%を指していた。
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