第41話 魔王襲来 その1

 温泉から帰ってきて数日後、またしてもユウは自宅で頭を抱えていた。


 ああ、絶対マオに誤解されたぁ。

 どうしようどうしよう、次会ったときなんて言えばいいんだろう。っていうか、温泉で一言も話してくれなかったから怒ってたのかなぁ。だよね、突然キスしようとしたんだもん(第23話あたり)怒ってるよね……。

 謝らなきゃ。でも、何て言えばいいのかなぁ。「キスしようとしてごめんなさい」……うーん、違うよなぁ。


 ユウはまた、自室のベッドに座り外を眺めてはため息をついていた。


「温泉に行ったのに、ユウ様の呪いは解けるどころか悪化していないか?」

 戦士アッシュは我があるじの不調を嘆いていた。一方で僧侶ハンナは温泉での一連のスキンシップに満足して、一人ニヤけていた。


 そんなときだった。ドンドンドン! と玄関の扉を激しくノックする音がした。「はーい、どなたですかぁ?」


 ハンナが浮かれ気味に玄関の扉を開けると、そこには魔王マオとその側近、巨人族マクベスと道化師ティファニーが圧倒的威圧感を放って立っていたのであった。

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