22話 俺たちの戦いはこれからだ!

「……ドッキリだよな?」

「こんな大掛かりなドッキリ仕掛けないわよ」

 それもそうか……蘭子なら出来そうだと思ったけど。

 

「ねーさっきのどうやったの〜? 教えてよ〜」

「分からん! ただカッコよくスパイクを決めようとしただけだ」

  そう、無我夢中とはあの事だろう。気持ち良かったなぁ……ボールが弾ける瞬間……。

  

「邪鬼の力を利用したのは間違いないと思うけどね。神威しんいくんが居る所にピンポイントで湧くなんて驚いたけど」

「これは修行の"せいか”ってやつかな〜?」

 何となく雰囲気で言ってるな……。

 

「なら良かったんだけどなー」

 ただ出来るという事が分かっただけでもかなりデカい。この現象を毎回起こせる様になればかなり実戦でも役に立つハズだ。

(戦場に毎回ビーチボールを持参するのはゴメンだ。マヌケにも程がある)

 

「でも自転車って一回乗れるようになるまでが大変って言うでしょ? 案外二回目は簡単に出来たりしてね?」

 

 確かに感覚なんて掴むまでが大変で掴んでからはそれまで苦労してたのが嘘のように簡単に感じるものだ……

 

「じゃあもっかい試してみるか?」

「おぉ〜〜〜楽しみぃ〜」

 桜夜さくやはヒーロショーでも見に来たのかってくらいのテンションになっている。

 

「肝心の邪鬼が居ないんじゃね……」

「あれ?なんか早くないか? 吸収してからそんな時間経ってないだろ?」

「必殺技だからゲージ消費なんだよ!」

 桜夜はふふんっ♪と得意げだ。


桜夜さくちゃんが言う通りだと思うわ。物理的にアレだけの事を起こしたんだものエネルギーの元である邪鬼が無くなるのも当然ね」

 

「今は一発が限界か……」

「神威くん? カッコつけてる場合じゃないわよ?」

「やっぱり必殺技は派手に一発に限るよね!」

  あーこれ似ちゃいけない所が似たかもしれんわ。※6・7話参照

  

「ま、ロマンだよな……」 

 そう。憧れは止められないのである───。

 

「確実に使えるのであれば……ね」

  

  ギクッ───

 

「まぁその辺はぶっつけ本番で何とか……」 

「ならない!」

「そこをなんとか……」

「ならないわよ。貴方には死んで欲しくないもの……」

 

「え? 今なんて?」

「使える確証の無い武器は作戦には使えないって事! もう! いいから修行する!」

 頭に血が上ってるんだろうか? 蘭子は顔を赤くしながら言う。

 

 そんなにプリプリしなくても良いのになぁ〜

 

「仕方ないなぁ……」

 

「こうしてお兄ちゃんは必殺技を使うため修行するのであった……続く!」

「なんか終わりそうだからやめろ!」

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