11話 知らない天井だ……


 「あ!起きた!?」

 我が愚妹いもうと桜夜さくやの声が聞こえる。

 

 「あぁ。結局あの後……」

 「良かった〜なかなか目が覚めなくて……本当に心配したんだから!」

 桜夜の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。あれしか方法を思いつかなかったとはいえ、我ながら無茶したよなぁ。


 「神威しんいくん目が覚めたのね。よかったわ……」

 蘭子らんこが少し疲れた表情でこちらを見ている。

 

 「あっごめんなさい!起こしちゃって」

 「いえ、目覚めた事を早く知りたいもの」

 二人の会話から察するに徹夜で見守ってくれていたのだろうか。もしかしたら目を覚ました時の見張り……なのかもしれないが。

 

 「どれだけ寝てたんだ?」

 「えぇと……」

 「丁度二日くらいかな?」

 「二日!?」

 窓の外の暗さから二、三時間程度かと思っていたがまる二日とは……

 そんなに寝てたのか……アニメとか見てる時は大袈裟おおげさに反応し過ぎだろと思ってたが、そりゃこうなるわ。

 

 「心配かけちまったな」

 「ホントだよ!」

 「カッコつけるからこうなるのよ。予定通りなら桜夜さくちゃんに手伝って貰いながら貴方の能力の限界を調べようと思ってたのに」

 

 (さく……ちゃん?いつの間にか仲良くなってる……)

 

 「イレギュラーはおれのせいじゃないし、仕方ないだろ」

 「そうね……貴方あなたには感謝しないと。ありがとう。本当に助かったわ」

 「いや俺はなにも……」

 「私達だけだときっと邪鬼に取り憑かれて大変な事になってた!だからお兄ちゃんのおかげなんだよ!」

 桜夜はツインテ……ツーサイドアップにした桜色の髪を揺らしながら言った。

 

 「そう言って貰えると無茶したかいがあるよ笑。でも最終的に邪鬼を滅したのは蘭子なんだろ?」

 「違うわよ。気を失ってたから気付いてなかったかもしれないけど、自力で邪鬼を無力化したわ」

 

 「……マジ?」

 「マジよ。

 「お兄ちゃん凄いよね!」

 

 「いやー実感湧かねぇわぁ〜」

 

 その後、俺が気を失っていた間に二人で話したことなどを聞いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る