第12話 同じ言い訳

 「ねえ、別に、ただの疑問なんだけど、なんで、ほっといたの?」

なんのことを言っているのか、聞かなくてもわかる。でも、まだ、そこに、辿り着きたくない。そんな話しはしたくない。だから、会話として、自然な感じで。

「えーと、なんの」

「そういうのいいから」

言い訳は、言い逃れはできない。そういうことなのだろう。なんで、もう、関係ないだろ、終わったことだろ、今更どうこうすることじゃない、僕には何もできないだろ。心の中で、感情が暴れているのを、押さえ込む。苦しい、苦しいと、叫ぶ声に飲み込まれそうになりながら、声を絞り出す。

「好きなんだったら、仕方ないだろ」

彼女の表情に目をやると、本当にきょとんとしていた。

「え、じゃあさ私が君のこと好きって言ったら、付き合えるの?」

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