第11話 久しぶりのお友達

 ああ、言い訳どうしよう。一枚の分厚い板を挟んで、言い訳をする相手がいる。普段だったら、寝てたとか、外にいたとか、一応辻褄は合わせた上で、そんなことを言うけど。なんで、こんなこと。もう五分くらいこうしているし。めんどくさい。思い出せ、どんな感じだった、中学校の時は、どんな話し方だった、彼女とは、どんな距離感だった。ああ、思考がまとまんないや。

「おーい、なんなら、もう、ドアの前にいるんでしょ、開けてもらっていいかな」

ああ、もう、なるようになれ、全部、めんどくさい。


ガチャ


「えーと、久しぶり、あ、電話出れなくてごめん」

どうにでもなれ、なんて思っていたけど、やっぱり自然と普通ではいられない。

「あー、うん、それは別にいいよ。で、家、入っていい?というかお邪魔します」

靴を脱ぐと、部屋の方までまっすぐと歩いて行った。あれ、うちに来たことあったっけ、いや、あったな。うん、何回か。何回も。

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