そんな夢をみたりする
消えていくものと
わかっているけれど
墓標すら朽ち果てて
残りはしないだろうけれど
其処に
陽は照って
雲は流れ
雨は降り
風は吹くだろう
春夏秋冬
変わらず年月は流れ続けるだろう
ただのわたし、という
名もなきニンゲンが存在したことは
時のなかの
見えない砂粒のようなもので
それでも
何処かから
運ばれてきた種で
いつかその場所に
小さな花一輪でも
咲いたとしたら
そんな夢をみたり、する
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