カニ!
さて、目の前には物言わぬ蟹。
これが意味するのはいわずもがな食事タ~~~~~~~~イム!!ってことです。ヒャッハー!
やべ、テンション上がってる。シロアリ、ヘビと来て遂にカニ!今までとは比にならないくらいまともな食事だぞ。
私カニ、大好き。そのままは勿論、鍋とか寿司みたいにして頂くのも美味しい、高級食材だ。中々日常過ごしてる中、カニを食す機会はないし。
でも唯一残念なのは、火が使えないことなんだよなあ。スッゴク残念。
アリはどうしようもないけど、少なくともヘビはもう少し美味しく頂けたかもしれない。
ま、無い物ねだりしてもしょうがないか。この身体で火使ったら死にかねんし。
まあいいや。
さ~~~~てと、今日はですね、このカニを解体したいと思います!!ゆっくりと歯を通していって、鋏とですね。関節をバラしていきます~。あ、この鋏はそのままとっておいてくださいね。この中にもギッシリお肉が詰まっててこれも美味しいですからね。
で~次に、甲羅ですね。ここを剥がしていきたいと思いますぅ。先ほど関節を外したときの穴!ここですここ!(脚の付け根を指差す)(※第三者目線、どうみてもわからないのは置いておいて)
ここに歯を立ててゆ~っくりと甲羅にですね、切れ込みをいれていくんですよ~。おっ!こんなクソちっちゃい手のひらサイズのカニなのにドゥルッドゥルの(語彙力消滅)蟹味噌がギッシリ!!とても美味しそうですね~!
さあて、では実食と行きましょう!カーン☆頂きます!!
そんな動画投稿者みたいなことを呟きながらカニをバラし、カワラガニの脚の肉にかじりついた。
んっ、ウマー!ヘビ肉も美味しかったけど、こちらは約束された楽園エデンだ。あの食べ慣れてるような慣れてないような、それでも慣れ親しんだ味が蘇ってくる。ぁあ肉詰まってるやっぱり!良かった鋏捨てないで。
うっ、うめえ...川のカニだけど。加熱処理とかしてないけど。めっちゃうまーい!!
おっと、そうだそうだ。カニの旨さと喜びに意識向いてたけど、レベルは上がったかな。
─────
[名称]あなた
[種族]〈マミーラット〉
[ランク]F
[LV] 7/15
[体力]13/24
[魔力]7/20
[物攻] 13
[物防] 10
[魔攻] 24
[魔防] 12
[素早] 25
《スキル》
[噛みつき.Lv3][斬りつけ.LV3][石落とし.Lv1]
《耐性.特性スキル》
[毒耐性.Lv1][衝撃耐性.LV4][呪い耐性.LV1]
[飢餓耐性LV-]
《称号》
[変異体][同族嫌悪]
─────
レベル、上がってる!この事実はカワラガニが私のレベリング相手になり得る何よりの証拠だった。これは二重の意味で美味しい。味と経験値のね。
加えて、蟹の甲羅に歯を立てまくったからか噛みつきと斬りつけのスキルレベルが、そしてカワラガニ抱えて地面にダイブしたから衝撃耐性が上がってた。後者はともかく前者は結構助かるかも。
いくら耐性あげても、ネズミの身体では何が来ても受け止められる気がしない。今多分カミソリとかカッターの刃とかで致命傷になりかねんからなあ。衝撃耐性アップ(ネズミ目線)といったところか。
普通に踏まれたら潰れるそれだけのこと。多分進化してランクとステータス、耐性が飛躍的に向上したとしてもまずネズミという種が弱すぎる。
あの毒吐き(直喩)先輩ネズミの二の舞にはなりたくないけど、どうやって生きるの?これってなってる。普通にああなりかねんよ?
人間ってそんな、一般人でステータス千越えとかありえる?いやあり得ないとは思うけどさ、同じステータスとも思えないしタイマンでいっさら勝てる気がしない。
けど。
どうでもいいや、ワタシハネズミダワタシハネズミ。そうそうそうそう。今はボリボリ蟹でも食って落ち着くとしよう。
わっかんないこと考えたって仕方ないじゃん?もしかしたら魔法使う人間がわんさか街とか村とか森とか洞窟とかにいるかもしれないじゃん?
今はとりあえず、私のステータス強化とレベルアップ。そして進化するのが先決だ!!まだ魔法も使えない足元のネズミが考えるのはいくらなんでも早すぎる。
んー!!やっぱカニうめえ~♪これはヘビとか食えなくなりますわ。あ、言うまでもないけどシロアリはそもそもご飯じゃねえから。
これ食ったらどんどんカワラガニ狩りして、レベルアップしていくとしよう。少しはダメージ貰うけど、それに見合う、いや十分すぎるお釣りがくるからね。
では、ご馳走さまでした。パンッパンッ!
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