神々を継ぐもの
パウロ・ハタナカ
序章
第1話 はじめに
〈塵を踏むもの〉について我々が語るとき、物語の核となるのは〈塵の最後の血族〉とされる青年の人生だった。
青年の存在がはじめて確認されたのは、〈司書〉たちによって
しかし白金山脈の聖地を守護する〈盲目の信徒〉たちの口承によって〝叙事詩〟が書き起こされたことで、我々は青年が
神々が去り、そして世界が〈殲滅戦争〉とも呼ばれた忌々しい
■
『以下は神々への反逆が始まったとされる暗い時代に――〈終末の時代〉と呼ばれる〈第三紀〉において、中世史の研究家として知られている盲目の信徒〈シャル・ラ・ウル・ウリアン〉の自室に残されていた書物の〝写本〟をもとに執筆、編集された物語だ。
しかし〈嘆きの神殿〉の陥落と共に姿をみせた邪神たちの暗躍、そして神々の子供たちを崇拝する僧兵が起こした戦争〈深淵の嘆き〉により、その大部分が失われてしまっている。(教会の手によって行われた
また
注意・この物語には猫科獣人の豹人をはじめ、蜥蜴人など多くの亜人が登場します。それらの人物のなかには、過去の時代の誇張した描き方をされていることがあります。残酷な侵略者として、そして時には奴隷として
しかしこの物語は人種差別を助長するモノではなく、作者にも差別意識はなかったと思われます。また〈亜人〉は
注意・本書を
単語や発音の仕方が現在の言葉と異なる働きをしています。それが
(言語学に精通し、物語の編集に協力的な人を常に必要としています)
そして多くの文化や言語が存在するように、寸法や距離、そして時間を計測するために使用される単位も数え切れないほど存在します。しかしそれらは本書をより深く理解するために、すべて現在使用されている単位に変更してあります。言葉や単位の発音に関する詳細を確認するには以下の書物を参照することを勧めます。
『王国の繁栄と衰退』著・スナト・クル・タユナ
『白銀の塔に関する調査報告書』著・トニー・ウェスト・リセック
『西洋連合国家の成り立ち』著・シーラ・オグ・ロベット
『知られざる民族・境界の守人』著・帝国大学民族史研究会
『原生林に潜む者たち』著・ラキム・クゥルバノフ
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